【900万円の損!?】年金の繰上げ・繰下げ|何歳で元が取れる?損益分岐点を解説

【900万円の損!?】年金の繰上げ・繰下げ|何歳で元が取れる?損益分岐点を解説 年金と老後資金

年金の繰上げ受給と繰下げ受給、
結局どちらが得なのでしょうか?

この記事では、

・60歳で繰上げた場合
・65歳で受け取る場合
・70歳まで繰下げた場合

それぞれのケースで、
何歳まで生きると元が取れるのか
(損益分岐点)

実際の数字を使って解説します。

さらに、

・平均寿命との関係
・男性と女性の違い
・繰上げを選ぶべき人
・繰下げを選ぶべき人
など、

現役ファイナンシャルプランナーの
判断基準を、実況形式で解説します。

 

損益分岐点はおよそ80〜82歳前後

年金の繰上げは損でしょうか?
それとも、繰下げが正解でしょうか?

結論から言います。
損益分岐点はおよそ80〜82歳。

しかしそれだけで決めるのは、
非常に危険です。

なぜなら、年金は「得か損か」の
ゲームではなく、

「安心をどう設計するか」のゲーム

だからです。

このページではこのテーマを、
制度・家族・税金・働き方まで含めた
“完全版”として実況します。

この記事を最後までご覧いただければ、
もう二度と年金の繰上げと繰下げで
悩むことはなくなります。

 

年金繰上げ・繰下げに絶対的な正解はない

もしあなたの年金が、
月15万円だとしたら、

・60歳から受け取るか
・65歳まで待つか
・それとも70歳まで遅らせるか

その選択で、
生涯の受取総額が数百万円単位で
変わる可能性があります。

年金受給開始時期を考えるにあたって、
ここが怖いところであり、
落とし穴でもあるのです。

 

ネットを見ると、

「繰下げ一択」
「いや、繰上げは損」
「長生きするなら繰下げ」
など、

様々な意見があります。

 

YouTubeにも、
さまざまなバリエーションの動画が
アップされています。

それがさらに判断を迷わせている原因
にもなっているのです。

 

では、ここでお聞きしますが、
あなたは何歳まで生きるか決まって
いますか?

80歳?
85歳?
それとも、90歳?

そんなこと、誰にもわかるわけが
ありませんよね。

もし人間の寿命が
あらかじめ分かっていたら、
国や民間の年金や保険制度が
成り立ちません。

 

65歳までしか生きられないと
わかっていたら、
誰も年金など払わなくなります。

保険にしても、一番得するプランを
あらかじめ計算できることになります。

結論から言えば、
実はこの問いに
“絶対的な正解”はない
のです。

なぜなら年金の損得は、
あなたの寿命と
あなたの資金状況で決まる

からです。

 

“絶対的な正解”がないと言ってしまえば、
この記事はそれで終わってしまいます。

そこで次のように言い換えます。

“絶対的な正解”はありませんが、
“正解に近い答え”はある
のです。

 

そこでこの記事では、

・60歳で受け取った場合
・65歳で受け取った場合
・70歳まで繰下げた場合

モデルケースをもとに、
実際に損益分岐点を計算しながら、

「プロならどう考えるか」

その思考プロセスを、
すべて実況します。

 

そして最後に、
あなたが選ぶべき開始年齢の“判断基準”
をお教えします。

“正解に近い答え”を、
数字で冷静に整理しましょう。

 

年金は、老後の安心を左右する
最も大きな選択の一つです。

ここでの判断が、
10年後・20年後の安心感を決めます。

ぜひこの記事を最後までご覧いただき、
あなたなりの“安心”を手に入れて下さい。

そして
有意義で理想的な老後を過ごすために、

・いまやるべきこと
・いま考えるべきこと

を見つけて頂ければ嬉しく思います。

 

そもそも年金とは何でしょうか?

まず基本中の基本ですが、
年金とは何でしょうか。

簡単に言えば、年金は
「国からもらえる毎月のおこづかい」
です。

あとでも詳しく説明しますが、
年金は国からもらえる「生活費」では
ありません。

あくまでも
生活費の足しにするための
「おこづかい」

です。

「国が老後生活の面倒を見てくれる」

そんな風に考えていますと、
あとで厳しい現実を知ることに
なります。

このことはまず知っておいて下さい。

 

この「おこづかい」は、
これまでのがんばり度によって、
65歳から毎月もらえます。

しかしおこづかいをもらい始める時に、
こう言われます。

「今すぐもらいますか?」
「少し待ちますか?」

早くもらうと、少なくなる。
待つと、増える。

ここまでは誰でも知っている
簡単な話ですね。

 

それではもう少し
具体的にしていきましょう。

たとえば、
あなたに毎月1万円をあげるとします。

でも、

今すぐ欲しいなら毎月7,600円にします。
5年待てるなら毎月14,200円にします。

あなたならどっちを選びますか?

これが
年金の繰上げ受給・繰下げ受給です。

 

60歳で繰上げ受給をした場合

ではここから具体的に、
一緒に考えていきましょう。

 

65歳でもらえる年金が、
月15万円だとします。

まず60歳からもらう場合を
考えてみます。

60歳から年金を繰上げてもらう場合、
本来もらえる15万円から24%減額
されます。

つまり計算式は、

15万円×0.76=11万4千円

となり、毎月もらえる年金額は

月額11万4千円
年間136万8千円

になります。

 

規定通り65歳から受給した場合は、

15万円×12か月=180万円

ですので、65歳と比べると、
年間約43万円少なくなります

金額だけを単純に見ると「損」です。

 

しかし繰上げのポイントは、
60〜64歳の5年間で

137万円 × 5年=685万円

つまり

685万円が先にもらえる

ところにあります。

 

人の将来は「一寸先は闇」です。

「いつ何があってもおかしくないので、
もらえるうちにもらってしまおう」

というのが、
繰上げ賛成派の意見です。

 

月11万4千円、5年間で約685万円は、
少ないですよね。

それでも、5年間も先にもらえるのです。

 

「今の自分に年金が必要かどうか」が判断基準

ここでプロである私は、

5年間で約685万円が、
多いのか少ないのか」

と言う“損得”ではなく、
次のように考えます。

「この685万円は、
今の自分に必要かどうか?」

 

例えば、

・住宅ローンがある?
・貯金が少ない?
・働けない?

今のあなたに必要であるなら、
この685万円はあなたにとっての命綱
です。

つまり今もらえる年金と
将来もらえる年金を比較するのではなく、

“今の時点で
年金が必要かどうか”を考える

わけです。

 

70歳で繰下げ受給をした場合

それでは次に70歳まで待つ場合を
考えてみましょう。

70歳まで繰り下げて、
年金を受け取る場合には、
本来もらえる15万円に
42%が増額
されます。

つまり計算式は、

15万円×1.42=21万3千円

月額21万3千円
年間255万6千円

となります。

65歳の180万円より、
年間約75万円多くなります

かなり増えますね。

ですがその増えた分、
65〜69歳の5年間でもらえるはずの

180万円× 5 = 900万円

この900万円を
受け取らない選択になります。

毎月21万3千円もらえますので、
かなり増えるように思えますが、

70歳までの5年間は1銭ももらえない

のです。

 

ここでプロとしては、単に年金が
もらえるかもらえないかではなく、
次のように考えます。

「70歳まで生活費は足りるか?」

 

・貯金はいくら?
・退職金は?
・仕事は続ける?

ここが“年金受給の勝負どころ”です。

 

60歳繰上げ受給と70歳繰下げ受給を比較

それでは、ここであなたに質問です。

60歳でもらうと
65歳より年間43万円少ないですが、
先に685万円もらっています。

この685万円を、65歳から差額である
毎年43万円ずつ取り戻すとすると、
くらいかかるのか?

答えは約16年。

つまり、

65歳+16年の81歳の時点で、
もらえる総額の年金額が逆転する

わけです。

これはつまり、
「81歳より長生きしたら65歳が得」
という意味です。

 

次に70歳まで待つ場合は、
900万円もらわない代わりに
毎年75万円多くなります。

この900万円を、70歳から差額である
毎年75万円ずつ取り戻すとすると、
どうなるでしょうか。

答えは約12年。

つまり
82歳が繰下げの損益分岐点
ということになります。

 

平均寿命の落とし穴

ここで一般的な判断基準となる、
平均寿命を考えてみます。

男性約81歳。
女性約87歳。

つまり、
男性は繰上げも繰下げも、
可能性はほぼ五分五分。

女性は繰下げが有利になる可能性が
高くなります。

しかしここで

“平均寿命”を基準に考えるのが、
年金受給判断の危険なところ

です。

 

「あなたは平均ですか?」

違いますよね。

60代で亡くなる方もいれば、
100歳まで生きる人もいます。

“平均”はあくまでも“平均”
でしかないのです。

 

もちろん人間の寿命が分からない限り、
平均寿命を基準に考えるしか
ありません。

しかし実はこれが
年金受給判断の大きな落とし穴
なのです。

 

ほとんどの方が繰上げ・繰下げの判断を、
「平均寿命」と「年金受給総額」で
考えてしまうから、
いつまでたっても答えが出ないのです。

そして情報を探しているうちに
時間だけが経ってしまいます。

そして結局何もわからないまま
65歳を迎え、
そのまま受給を開始してしまいます。

 

この記事では
年金の受け取り開始タイミングを、
この不確定要素の「平均寿命」と
「年金受け取り総額」ではなく、

もっと現実的で、
生活に効果的な受給タイミング

を、この後解説していきます。

ぜひこの記事を最後までご覧いただき、
あなたにとってベストな
年金受給タイミング

判断するようにして下さい。

 

FPが考える年金の受け取り優先順位

ここからがプロであるFPの思考です。

私なら次の優先順位で
年金の受け取りを考えます。

① 貯金はいくらあるか
② 65歳以降も働くか
③ 毎月の固定費はいくらか
④ 健康状態
⑤ 配偶者の年金はどうか

つまりプロは、

・生涯もらえる年金総額
・考えても分からない寿命

で考えずに、

“いつから年金が必要になるか”

という現実的な視点で考えるのです。

 

年金は寿命や将来の年金額など、
不確実な要素に賭ける
「期待値ゲーム」ではありません。

これからの
“安心をどう設計するか”を組み立てる、
現実的な「人生ゲーム」なのです。

 

よく考えてみて下さい。

あなたが何歳まで生きるかなんて、
あなた自身にも分かりません。

また、もらえる年金額や年金制度は、
毎年のように法改正によって
変わっていきます

つまり今の時点で細かく計算して、
将来の年金総額を予測したところで、
あまり意味がないのです。

そんな
“不確実な遠い将来”のことよりも、
今目の前の“より現実的な生活状態”
考えた方が、意味があると
思いませんか?

「いつから年金をもらうのが
得になるか」

ではなく、

「いつから年金が必要になりそうか」

考える方が、人生にとっては
プラスになるということなのです。

 

ここまでの話を、
超シンプルにまとめますと・・・

お金が今すぐ必要なら、
繰上げが合理的な選択

になり、

健康状態が良好で、
貯金がある場合には繰下げ有利

と判断します。

将来の不安が強いのであれば、
年金を早くもらう方が、
年金総額うんぬんよりも
安心の価値が高くなります。

 

繰り返しになりますが、プロとしては、
年金を「得か損か」では考えません

なぜなら、年金は株ではないからです。

年金は
“最大リターンを狙う商品”ではなく、
“生活を止めないための土台”
です。

ここを間違えるから、
判断を誤ってしまうのです。

 

FPが年金繰り下げで重要視する3項目

では、私は何を見るのか。

まず見るのは3点です。

① 65歳時点の貯蓄額
② 65歳以降も働く予定か
③ 毎月の固定費はいくらか

この順番で見ます。

順番にも意味があります。

 

最初に見るのが、
65歳時点の貯蓄額です。

なぜ最初に貯蓄を見るのか。

それは
“時間を買えるかどうか”
を確認するためです。

例えば貯蓄が2,000万円ある人と、
300万円しかない人であれば、
同じ繰下げでも、
意味がまったく違います。

 

貯蓄が多い人は、
70歳まで年金を待つ“余裕”があります。

しかし貯蓄が少ない人が繰下げると、
70歳までの生活が不安定になります。

 

私はまずここで

「この人は、待てる人かどうか?」

を考えます。

 

次に「65歳以降も働くかどうか」
確認します。

つまり“収入の継続性”です。

 

65歳以降も、

・パートで月10万円入る
・自営業で収入がある
・再雇用が決まっている

これなら繰下げの選択肢は現実的です。

なぜなら、年金を待っている間も
生活が回るからです。

 

でも、

・体力的に厳しい
・仕事が見つかるか不安
・持病がある

なら、話は変わります。

「この人は、働き続けられる前提か?」
を考えるわけです。

 

そして3番目に
「固定費はいくらか」を確認します。

ここが見落とされがちですが、

年金の損益分岐点よりも、
毎月の生活費の方が重要

です。

当たり前の話ですよね。

極端な話、
今を生きる1万円すら不安な人は、
将来の10万円のことを
考えている場合ではないからです。

生活費が月20万円必要な人と
月12万円で足りる人では、
同じ年金額でも安心度は
まったく違います。

 

FPという立場では、
「現実」と「今現在」を重要視します。

だからこそ、

「不確実な年金の損益分岐点」

なんかよりも重要な、

「この人の最低必要生活費はいくらか?」

を確認するのです。

 

年金繰り上げ・繰り下げのケーススタディ

 

それではここから
実際のモデルケースを見ていきます。

・貯蓄1,500万円
・65歳以降も月8万円の収入あり
・生活費月18万円

この場合、70歳まで繰下げても
十分現実的です。

なぜなら、年金が増えたあとの
安心度が高いからですね。

 

一方で、

・貯蓄400万円
・65歳以降の仕事は未定
・生活費月20万円

この場合、私は繰下げを勧めません。

理由はシンプルで、
あまりにも現実的・現在的な不安が
大きすぎるからです。

 

大切なことですので繰り返しますが、
大事なのは

“最大リターン”を狙うこと”

ではありません。

“生活が止まらないこと”

です。

他のケースも見ていきましょう。

 

「貯蓄多め・共働き・健康」タイプ

・65歳時点貯蓄:2,200万円
・夫婦ともに年金あり
・夫:月15万円
・妻:月10万円
・生活費:月22万円

 

夫婦で合計25万円の年金で、
生活費22万円なら、
65歳時点でも十分回ります。

さらに、貯蓄が2,200万円あるなら、
この場合繰下げはかなり合理的です。

なぜなら、70歳以降の年金が増えることで
“どちらかが亡くなった後の生活”
も安定するからです。

 

ここが判断のポイントで、
配偶者がいる場合の繰下げは、

“どちらかが長生きした時の保険”

になります。

 

「貯蓄少なめ・単身・不安強め」タイプ

貯蓄:450万円
単身
年金見込み:月14万円
生活費:月18万円

 

私はまず年金だけでは
「赤字になる」ことを確認します。

月4万円の不足です。

「この人が繰下げるとどうなるか?」
「70歳までの生活費はどうする?」

貯蓄はすぐ減ります。

この場合、繰下げで得を狙うより、

繰り上げ受給で
“精神的安心”を優先

します。

 

繰上げは
“逃げ”や“弱い選択”ではありません。

今回のモデルケースのような
状況によっては、
最も合理的な選択なのです。

 

「夫婦で年金差が大きい」タイプ

夫:月18万円
妻:月6万円
生活費:月20万円

ここで重要なのが配偶者年金です。

もし夫が先に亡くなった場合、妻は

「自分の老齢基礎年金6万円
+遺族厚生年金」

を受給できます。

 

しかし、
夫が年金を繰下げていた場合でも、
その増額分は
“遺族厚生年金に反映されません”

ここは誤解が多いのですが、
ここまで考える必要があります。

 

ここまでいくつかのモデルケースを
見てきました。

年金制度は実に複雑で、だからこそ
FPや社会保険労務士という専門職が
あるのです。

100人いれば100通りの
受給パターンがあると言っても
過言ではありません。

ただ繰上げ・繰下げ受給の
判断基準に関しては、
この記事である程度理解して
頂けたかと思います。

 

年金にかかる税金と手取り

さて、ここからがさらに重要です。

年金は“額面”で判断してはいけません。

なぜなら年金には、

・所得税
・住民税
・国民健康保険料
・後期高齢者医療保険料

がかかるからです。

 

例えば繰下げで年金が増えた結果、

・税率が上がる
・保険料が上がる
・手取り増加が思ったより少ない

ということもありえます。

この「年金の手取り」につきましては、

【年金手取りはこんなに減る!?】
年金20万円でも手取りは16万円の
“衝撃な現実”

の記事で実況中継していますので、
ぜひお読みください。

ここで私が必ず考えるのが、

「手取りはいくら残るか?」

年金が月5万円増えても、
実質3万円しか残らないなら、
損益分岐点は変わります。

 

年金は投資ではなく、
安心を買う制度
です。

もっと言えば

「毎月振り込まれる安心感」

に価値があります。

 

私がよく言うのが、年金の判断とは、

“老後のスピードを決めること”

ではなく、

“老後の安定感を設計すること”

です。

だからこそ、

・貯蓄
・働く力
・生活費

この3つが土台になります。

損益分岐点はあくまでも
参考資料であり、
最終判断はあなたの“生活設計”です。

 

年金繰り上げ・繰り下げ受給の落とし穴

最後になりますが、

「繰上げと繰下げのデメリット」

についても考えてみたいと思います。

 

日本の年金制度は、
とてつもなく複雑化しており、
その人の状況によって、
あらゆるパターンに分かれます。

細部まで詳しく解説したら、
とても1つの記事では足りません。

今後、公開する動画のテーマ別に、
必要に応じて解説していきます。

 

まず年金の大原則として、
日本の年金は「一人一年金」です。

つまり原則、一人で複数の年金を
受給することはできません。

一部「併給調整」と言って、
複数年金を受け取り可能ですが、基本は

一人で一つの年金のみ受給可能

と考えて下さい。

「併給調整」につきましては、
また別の記事で解説します。

ここでは「繰上げ」した場合、
他の年金との関係について
いくつか解説しておきます。

 

繰上げ受給のデメリット

最も代表的な実例が
「障害基礎年金」です。

繰上げするということは、
その時点で65歳に達したものと
みなされるため、

障害基礎年金は受給不可

となります。

 

そしてもう一つ、
「寡婦年金」も繰上げ受給しますと、
受給不可となります。

つまり、

「老齢年金を早くもらう代わりに、
万一の保障を一部放棄する」

という仕組みになります。

ここは本当に重要です。

 

このように繰上げは、
単に老齢年金を早く受け取るという
だけではありません。

他の年金を受け取る人にとっては、
総合的に判断しないと損することに
なってしまう場合もある
のです。

 

さらに繰上げをすることで、
任意加入や追納が出来なくなります

年金は払うか受け取るかの
どちらかですので、
繰上げによって受け取りを開始した場合、
その時点でもらう側になります。

つまり払う側ではなくなるわけです。

 

繰下げのデメリット

次に繰下げのデメリットについても
考えていきます。

最も代表的なデメリットが、

「加給年金」の受給

です。

 

年金の繰下げを選択した場合、
老齢基礎年金と老齢厚生年金は
増額されます。

しかし加給年金は増額の対象外となり、
さらに繰下げ期間中は支給されません。

つまり

「繰下げした期間、
まるまる加給年金が支給されない」

ことになります。

単純に
繰り下げで増額になる事だけでなく、
加給年金を受け取るのであれば、
そこも検討の必要があるという
ことです。

 

二つ目のデメリットが
「在職老齢年金」との絡みです。

在職老齢年金制度の見直しで、
令和8年度から在職老齢年金の基準額が

”51万円から65万円”

に引き上げられました。

そのためデメリット感は薄れましたが、
それでも65歳以降も働く方にとっては
重要な問題です。

つまり繰下げで年金が増額しても、
賃金+老齢厚生年金が基準額を
超えてしまえば、
年金が減額されてしまいます。

 

三つ目はデメリットというよりも、
誤解している方が
多くいらっしゃいます。

それは「遺族厚生年金」についてです。

繰下げで増えた分は、
遺族厚生年金には反映されません

実例で解説します。

 

夫の年金が18万円として、
70歳まで繰下げて、約25万円に
増えたとします。

しかし70歳の支給開始以降に
亡くなった場合、
妻がもらう遺族厚生年金は
「元の18万円を基準」に
計算されてしまいます。

増えた約7万円分は引き継がれない

ということです。

繰下げは

「自分が長生きする前提」

で有利になります。

 

しかし
「配偶者が長生きする前提」
で考えると、

慎重になる必要があります。

 

繰下げは“自分基準”か?
それとも“家族基準”か?

ここを間違えると
“老後の設計が崩れてしまいます”
ので、注意して下さい。

 

年金繰上げ・繰下げ受給完全チェックリスト

年金判断は決して単純なものでは
ありません。

① 損益分岐点
② 貯蓄
③ 働く予定
④ 配偶者年金
⑤ 遺族厚生年金
⑥ 障害・寡婦年金
⑦ 在職老齢年金

この記事で解説しただけでも、
これだけの要素が絡んでくるのです。

もはや単純な計算ではありません。

 

年金は“最大化ゲーム”ではなく、
“破綻しない人生設計ゲーム”です。

「年金で安心を
どう手に入れるのか」

それが本質です。

 

さて、あなたなら何歳から
年金受給を開始を選び始めますか?

 

FPとしての年金繰上げ・繰下げの結論

最後に今回の記事をまとめますと、
年金の判断は、

① いくらもらえるか
② いくら必要か
③ 何歳まで生きそうか
④ 夫婦のバランス
⑤ 税金はいくらか

この5つの掛け算です。

損益分岐点は参考でしかありません。

 

年金の繰下げの本当の問題は、

「あなたは70歳まで待てる人か?」

どうかです。

 

・貯蓄が多い+長生き家系
→ 繰下げ有利


・単身+貯蓄少なめ
→ 繰上げも合理的

・夫婦差が大きい
→ 慎重に設計

・税負担が大きい
→ 実質増加を確認

損益分岐点は80〜82歳前後と考えると、
長生き前提なら繰下げが有利です。

 

しかし最優先に考えるべきことは、
目先の損得ではなく、

“これからの生活の資金繰りと
老後の安心感”

です。

 

迷ったら、プロの判断基準を
このブログで手に入れて下さい。

FP実況中継でした。