【働くと年金が減る!?】65歳以上で働くと年金が減る人・減らない人│在職老齢年金

【働くと年金が減る!?】65歳以上で働くと年金が減る人・減らない人│在職老齢年金 年金と老後資金

「65歳以降も働くと、年金が減る。」

この話、聞いたことありますか?

実はこれ──本当です。

ただし、ここからが重要なんですが、
この話を正しく理解している人は、
ほとんどいません。

 

65歳で年金をもらいながら働いていれば、
普通は

「収入が増える」

と思いますよね。

しかし実際には、
働いたのに手取りがほとんど増えない
というケースがあります。

 

さらにもっと極端な例だと、
頑張って働いたのにほとんど意味がない
というような状況になることもあります。

なぜこんなことが起きるのでしょうか。

それが、

「在職老齢年金」

という制度です。

 

働けば働くほど、収入が減る!?

 「在職老齢年金」

という名前になっていますが、
別に特別な年金ではありません。

「在職老齢年金」とは、
65歳以上で働きながら受給する

通常の老齢年金のこと

を言います。

 

この在職老齢年金制度は簡単に言うと、

「収入が一定額を超えると、
年金が減る」

という仕組みです。

しかし絶対に誤解してほしくないのが、
「働く=損」ではないということです。

 

実際には、

・働いた方が得な人
・働き方を間違えると損する人

この2つに分かれます。

 

つまり、この在職老齢年金制度を
知らずに働くと、
知らないうちに損をする可能性がある
ということです。

 

逆に言えば、この制度を理解していれば、

・無駄な働き方を避ける
・収入を最大化する

こともできます。

 

この記事では、

・年収いくらで年金が減るのか
・どれくらい減るのか
・働いた方がいいのか

これを実際の数字を使いながら、
ファイナンシャルプランナーの視点で
実況形式で解説していきます。

 

この記事を読めば、
65歳以降の働き方で損しない判断が
できるようになります。

・これからも働こうと考えている方
・年金をもらいながら働いている方

このような方には、
かなり重要な内容になりますので、
ぜひ最後までお読みください。

 

在職老齢年金を知れば、働き方が変わる

ではまず、この記事を読んで
何が分かるのかを
最初に整理しておきます。

 

この記事のテーマは、
「在職老齢年金」です。

少し言葉が難しいですよね。

簡単に言えば、

“65歳以降も働いた場合、
年金がどう変わるのか”

という話です。

 

ここは、実際の年金相談でも
非常に相談が多いテーマです。

なぜかというと、
最近は65歳以降も働く人が
かなり増えているからです。

 

「年金だけでは不安だから働きたい」
「まだ元気だから仕事を続けたい」
「できれば収入を増やしたい」

こう考える方はとても多いんですね。

 

ただ、そのときに必ず出てくるのが、
“働くと年金が減る”という話です。

この記事では、
在職老齢年金の仕組みを
できるだけ分かりやすく
整理していきます。

 

在職老齢年金の4つのポイントを理解する

具体的には、次の4つが分かります。

 

1つ目が、
「在職老齢年金の基本的な仕組み」
です。

「そもそもなぜ働くと年金が減るのか」
「年金と給料がどういうルールで
調整されるのか」

ここをまず、
子どもでも分かるレベルで整理します。

 

2つ目が、
「いくらの収入で年金が減るのか」
です。

多くの人が一番知りたいのは、
ここだと思います。

「月いくら稼ぐと減るのか」
「年収いくらなら大丈夫なのか」
「自分のケースではどうなるのか」

このあたりを実際の数字を使って解説します。

 

3つ目が、本当に“働くと損”なのか
です。

ここはかなり重要です。

実は、「年金が減る = 損」とは
限りません。

減額されても、全体の収入は
増えていることも多いんですね。

つまり大事なのは

「“年金が減るかどうか” ではなく、
最終的に手取りがどうなるか」

です。

この視点で見ないと、判断を間違えます。

 

そして4つ目が、
「ファイナンシャルプランナーとしての
判断基準」です。

このブログでは、
単に制度の説明だけでは終わりません。

実際の相談では、

「働いた方がいいですか?」
「どこまで働くのが一番いいですか?」

という質問が必ず出ます。

そこで今回は、

FPなら何を見て、どう判断するのか

という視点まで最後にお話しします。

 

つまりこの記事を最後まで読めば、

・在職老齢年金の仕組み
・年金が減るライン
・働いた方が得かどうか
・自分に合った考え方

ここまで一通り分かるようになります。

 

65歳以降も働く予定がある方、
あるいは家族にいる場合は、
かなり重要な内容になりますので、
ぜひ最後までお読みください。

 

在職老齢年金とは何か?

 

ではここから、
「在職老齢年金の仕組み」を、
できるだけ分かりやすく説明します。

 

在職老齢年金は一言でいうと、

「年金と給料が多すぎると年金が減る」

という仕組みです。

 

あなたがもらっている年金が
15万円とします。

そして働いて得る給料が30万円の場合、
15万 + 30万 = 45万円になります。

ここまでは普通ですよね。

ここからが「在職老齢年金」で、
この合計があるラインを超えると、
年金がカットされるという仕組みです。

 

現在の基準は

【65万円】

です。

 

つまり給料と年金の合計額が、
65万円以内なら、年金は減らないで
そのまま支給されます。

しかし65万円を超えた場合は、
超えた分の年金が1/2減らされます

 

ここが最大のポイントで、簡単にまとめると、

「稼ぎ過ぎると、
その過ぎた分の年金が半分減る」

ということです。

 

「なぜこんな制度があるのか」
という疑問が出てくると思います。

「自分で働いて稼いだ上に、
これまで収めてきた年金だから、
全部くれればいいのでは?」

と言いたいところですね。

 

これは年金制度の根本の話です。

年金は儲けさせるための制度ではなく、
あくまでも

生活を支えるための制度

です。

年金は正式名称を「年金保険」
言います。

つまり「保険」であって、
「老後の生活のための備え」なのです。

言い方を変えれば、

「生活を支える必要がない場合は、
支給しない」

というのが、年金の大原則なのです。

「自分で稼げているのだから、
そこまで生活の支えは必要ないですね」

というのが、
在職老齢年金の基本なのです。

 

多くの人が「在職老齢年金」を誤解している

ここがこのテーマでも非常に重要に
なりますが、多くの人は、

「年金が減る = 損」

と思っています。

しかし実際には給料が増えているので、
収入全体は増えているケースが多いです。

 

年金は、働けるうちは給料の足りない分の
補填分です。

そして働けなくなったら、
生活費の柱と考えるようにしましょう。

 

 

在職老齢年金で減額される基準

ではここから、一番気になるポイントです。

「どこから年金が減るのか?」

ここをできるだけ分かりやすく、
見ていきましょう。

 

在職老齢年金は、
毎月の年金と月額賃金の合計が
65万円を超えると、年金が減額されます。

この在職老齢年金での「賃金」の定義は、
「総報酬月額相当額」を指します。

「総報酬月額相当額」は
毎月の給与(標準報酬月額)と
直近1年間の賞与(標準賞与額)を
12で割った額を合計したものです。

それでは具体的なパターンを
見ていきます。

 

①年金が減らないパターン

年金:15万円
賃金:40万円
合計:55万円

65万円以下なので、
在職老齢年金は全額支給されます。

 

②年金が減るパターン

年金:15万円
賃金:55万円
合計:70万円

65万円を超えているので、
超えた分の半分が支給停止になります。

70万円−65万円 = 5万円

この5万円の半分の2万5千円が
減額され、

在職老齢年金は12万5千円の支給

になります。

 

③年金が支給されないパターン

年金:10万円
賃金:80万円
合計:90万円

65万円を超えているので、
超過分を計算します。

90万円−65万円 = 25万円

25万円の半分は12万5千円ですが、
そもそも年金は10万円ですので、
12万5千円の減額ですと、
支給年金の金額を超えます

つまりこの場合、
年金は支給されないことになります。

 

そもそも在職老齢年金が必要なのかどうか

パターン③の場合、
年金が支給されません。

ただこの場合、
賃金が80万円ある時点で、
果たして在職老齢年金の支給が
必要かどうかという話です。

 

年金が支給され始めてから、
賃金が急にアップして基準額を
超えてしまったのであれば
話は別です。

しかし65歳を超えても、
80万円の賃金がもらえる見込みが
あるのであれば、
その賃金が続くまで繰下げ受給でも、
生活に問題はないでしょう。

 

そういう意味もあって、
在職老齢年金の基準額が65万円に
増額されたのですから、
しっかりと仕組みを理解しておいて
下さい。

 

在職老齢年金のよくある誤解

ここで非常に多い誤解を
まとめておきます。

 

誤解①65万円を超えたら全部減る

これは違いますね。

正しくは

「65万円を超えた分の半分だけ減る」

です。

 

誤解②働いたら損をする

これも違いますね。

実際には
収入は十分にあるわけですから、
繰下げ受給を申請して、
そもそも年金を受給しなければ
いいだけの話です。

働く目的は人それぞれですので、
損得で年金を考えるのではなく、
どのよう生活を送りたいかで
考えるべきです。

 

誤解③すべての年金が減額・支給停止になる

これも間違いです。

在職老齢年金の対象は【老齢厚生年金】で、

【老齢基礎年金】は対象外

です。

これは少し考えれば、当然の話ですね。

「在職」という言葉通り、
対象は会社に勤めている方ですので、
年金も厚生年金が対象になります。

老齢基礎年金は、
20歳以上65歳未満の国民全員が対象
となりますので、
会社勤めも自営業も関係ないわけです。

 

誤解④在職老齢年金の計算に使う賃金は「手取り額」

これも間違いです。

在職老齢年金の計算に使う賃金は、
「標準報酬月額」です。

これは手取り額ではなく支給総額、
つまり税金や保険が引かれる前の
総支給額になります。

 

働き方と生活費で年金を考える

ここで一度、考えてみてください。

あなたはどの働き方を選びますか?

・週2〜3日で働く
・フルタイムで働く
・がっつり稼ぐ

選ぶ働き方によって、
年金の見え方は大きく変わります。

 

「年金は減るが、収入は増える」

つまり問題は年金が減るかどうかではなく、
本当に見るべきは「最終的な手取り」です。

 

年金相談では、必ずこう言われます。

「年金で損してる気がするんですが…」

そのとき私は、

「損得ではなく
働き方と生活費で判断しましょう」

と答えます。

 

実際には、働いた方が
生活は楽になるケースが多いです。

まず判断基準の一つの「生活費」です。

 

例えば、生活費が
月20万円の人と月30万円の人では、
判断が全く変わります。

生活費が25万円で年金が15万円ですと、
10万円の不足になりますね。

この場合、
多少減額されても働くべきです。

 

ただしすでにお伝えしたように、
在職老齢年金の基準額は65万円です。

そこまで稼ぐ必要はないわけですから、
そもそも減額される心配は
ないことになります。

 

それでは生活費が18万円で
年金が15万円でしたらどうでしょうか。

不足は3万円ですので、
軽く働くだけでも十分ですね。

 

生活費は絶対に必要なお金です。

年金の損得を考えている場合ではなく、
生活費優先で判断するべきです。

 

そしてもう一つの判断基準が
「働く目的」です。

・お金のため
・健康のため
・社会参加のため

目的がどれかによって、
正解は変わります。

 

お金目的であれば、
減額されても、収入が増えるなら正解
になります。

健康・生きがいのために働くのであれば、
減額は関係なく、
働くこと自体に価値があります。

 

年金は確かに
老後の生活に欠かせないお金ですが、
それがすべてではないことを
知っておいて下さい。

年金は

「儲ける」ためではなく、
「生活」のためだということ

です。

 

在職老齢年金の減額は気にする必要はない?

年金相談で、もうひとつ

「いくらまで働けばいいですか?」

とよく聞かれます。

その時の私の答えは、ほとんどの方に

「気にしなくてもいい」

と答えます。

 

考えてもみて下さい。

65万円を超えたら減額される
わけですから、
年金が15万円としたら、
50万円までは働けるわけです。

65歳以上で50万円の収入を
得られる方は、
そう多くないはずです。

50万円以上の収入がある
65歳以上の方でしたら、
年金について相談されることが
まずありません。

つまり

「普通に気にせずに働いて下さい」

というのが答えなのです。

 

在職老齢年金の基準額は、
48万円から50万円、そして65万円に
引き上げられてきました。

つまり国が

「もっと積極的に働いて下さい」

と言っているわけです。

それが国の方針であれば、
今後も「働き損」になる可能性は、
限りなく低いと言えます。

 

年金の制度を知ると、
働き方はもっと自由に選べます。

知らないと「なんとなく働く」
知っていると「戦略的に働く」

この違いが、
老後の生活を大きく変えます。

 

年金制度の限界とこれからの働き方

ここで、もう一つ
非常に重要な視点をお伝えします。

それは

「年金制度は
固定されたものではない」

ということです。

 

在職老齢年金に限らず、年金制度は、
毎年のように見直し・改正が
行われています。

実際に、

・減額ライン
・支給条件
・計算方法

これらは、
これまでも何度も変更されてきました。

つまりここまで解説してきた内容も、
未来永劫このまま続くわけではない
ということです。

 

「じゃあ計算しても意味がないのでは?」

ここで、こう思う方もいるかもしれません。

結論から言うと、意味はあります

ただし、重要なのは考え方です。

「正確に算出するためではなく、
判断するための材料として使う」

ということです。

 

例えば、

・どれくらい働くと影響が出るのか
・自分はどの生活圏にいるのか
・収入のバランスはどうか

これを知るだけでも、
働き方の判断は大きく変わります。

つまり、計算の目的は

「予測」ではなく「判断」

です。

 

時代はこれからも変化していく

そしてもう一つ、
もっと大きな視点があります。

それは、これからの時代の働き方です。

 

今後は確実に、
リタイア年齢の高齢化が進みます。

つまり、65歳以降も働くことは
特別なことではなく、
当たり前の時代になっていきます。

というか、すでになっていると言っても
良いでしょう。

 

そうなると、制度側も変わります。

在職老齢年金の制限は、
さらに緩和されていく可能性が高いです。

実際に、これまでも制度は
「働きやすい方向」に改正されて
きています。

だからこそ、
ここで考え方を変える必要があります。

 

多くの人は、
制度に合わせて働き方を
決めようとします。

しかし、本来は逆です。

「自分の働き方に合わせて
制度を使う」

ことです。

 

例えば、

・週2日働きたい人
・しっかり収入を得たい人
・社会参加が目的の人

この3人に、同じ正解はありません。

 

にもかかわらず、

「年金が減るから働かない」

と判断してしまうと、
本来得られるはずだった

・収入
・健康
・生きがい

を失う可能性があります。

 

人生を前提に年金制度を考える

年金相談ではこの段階になると、必ず

「結局、どうすればいいんですか?」

という話になります。

その時には私はこう答えます。

「年金制度を前提にしないで、
人生を前提にしてください」

 

そして、そこから逆算します。

① どんな生活をしたいか
② いくら必要か
③ どのくらい働くか

この順番です。

 

ここが一番重要な考え方で、

「年金制度は
あなたの人生を決めるもの」

ではりません。

「あなたの人生を
支えるためのツール」

です。

 

そして、これからの時代は、

「年金制度に振り回される人」
「年金制度を使いこなす人」

この差が、
そのまま老後の生活の差になります。

この記事をご覧頂いている方には、

制度を知る

理解する

使いこなす

ぜひこの視点を持っていただきたいです。

これができると、
老後の不安は大きく減ります。

 

在職老齢年金制度を理解して、働き方を考えましょう

では最後に、今回の内容を
もう一度整理していきましょう。

 

今回のテーマは【在職老齢年金】でした。

まず一番大事なポイントです。

在職老齢年金とは、
年金 + 給料が一定額を超えると、
年金が減る制度です。

そしてその基準が、65万円でした。

 

ここまでを見ると多くの人が

「じゃあ働いたら損なのか」

と思います。

しかし、ここが一番重要なポイントで、
【年金が減る = 損】ではありません

 

実際には賃金が増えているので、
収入全体は増えているケースが多いです。

つまり大事なのは年金ではなく、
最終的な手取りです。

ここを見ないと、判断を間違えます。

 

そしてもう一つ重要なのが、
働き方の考え方です。

在職老齢年金は、
「働くな」という制度ではありません。

「働き方を考えましょう」という制度です。

 

老後の働き方にはいくつか選択肢があります。

・少しだけ働く
・バランスよく働く
・しっかり稼ぐ

どれを選ぶかは、年金ではなく、
あなたの人生で決めるものです。

 

FPとしての結論はシンプルです。

「生活費+目的+手取り」

の3つで判断してください。

 

年金制度は、
知らないと不安になりますが、
仕組みを理解すると、
選べる状態になります。

これが非常に重要です。

 

迷ったら、プロの判断基準を
このブログで手に入れて下さい。

FP実況中継でした。