【その年金もらえる?もらえない?】知らないと損する年金の併給調整の全ルール徹底解説

【その年金もらえる?もらえない?】知らないと損する年金の併給調整の全ルール徹底解説 年金と老後資金

年金って、
複数もらえると思いますか?

・老齢年金
・遺族年金
・障害年金

こういった年金が同時に発生したとき、

「全部もらえるんじゃないの?」

と思っている方が、
かなり多いと思います。

 

でも実はそれ、
かなり危険な勘違いです

なぜかというと、年金には

「併給調整」

というルールがあって、
基本は1つしかもらえません

 

さらに併給調整でややこしいのが、
一部だけもらえるケースや
条件付きでもらえるケースも
あるのです。

例えばこんなケースです。

・夫が亡くなった
・自分の老齢年金もある
・遺族年金も発生する

このとき、全部もらえると思っていたら
実際は一部しかもらえない。

こういうことが普通に起こります。

 

逆に、

「どうせどれか1つでしょ」

と思っていると、
本当はもらえたはずの年金を
見落としているというケースも
あります。

つまり併給調整は、知らないだけで
損する可能性がある制度なんです。

 

そしてさらに重要なのが、
この併給調整は、かなり複雑です。

・全部もらえるケース
・一部だけもらえるケース
・条件付きで変わるケース
・全くもらえないケース

だからこそ、多くの人が、

「よく分からないまま
なんとなく受け取っている」

というのが現実です。

 

でも本来、ここはちゃんと理解して
選択するべきポイントなんです。

なぜなら、どの年金を選ぶかで
受け取る金額が変わるからです。

つまり「制度の知識」ではなく
「お金の判断」なんですね。

 

今回の記事では、

・併給調整の基本ルール
・もらえる年金/もらえない年金
・一部だけもらえる仕組み
・実際によくあるケース

まで、基本レベルで併給調整について、
分かりやすく解説していきます。

そしてこの記事を読み終わると、

「何がもらえるのか分からない」

「自分のケースで判断できる」

この状態に変わります。

 

併給調整は、
知らなくてもいい知識ではなく、
知らないと損する知識です

ぜひ最後まで読んで、
「なんとなく受け取る側」から
「理解して選ぶ側」に
変わっていただければと思います。

 

併給調整の4つのパターンを理解する

 

ではまず、
この記事で何が分かるのかを
整理しておきます。

今回のテーマは、

「年金の併給調整」

です。

 

「併給調整」と聞くと、
少し難しく思えるかもしれません。

「併給調整」を簡単に言うと、
複数の年金を受け取れる状況に
なったとき、
どの年金を支給するのかを
調整するルールです。

 

この記事では、
大きく4つに分けて解説します。

まず1つ目は、「併給可能な年金」です。

例えば、
「老齢基礎年金+老齢厚生年金」

これは基本的に
セットで受け取る年金です。

複数の年金だからといって、
すべてが調整対象になるわけでは
ありません。

 

2つ目は、
「部分併給可能な年金」です。

ここが非常に重要です。

例えば、
自分の老齢厚生年金と、
配偶者の死亡による遺族厚生年金。

この場合、全部をそのまま足して
受け取れるわけではありません。

一部だけ調整されて、結果的に
上乗せされる形になることがあります。

ここを知らないと、
「思っていたより少ない」
ということが起きます。

 

3つ目は、
「条件付きで併給可能な年金」です。

年金は、

・年齢
・家族構成
・加入期間
・障害の状態
・配偶者の年金状況

によって、受け取り方が変わります。

 

つまり、同じ年金名でも、
人によって結果が変わる
ということです。

ここが、
併給調整を難しくしている理由です。

 

4つ目は、
「併給不可の年金」です。

年金には、

「どちらか一方しか選べない」

ケースがあります。

 

例えば、

・老齢年金と障害年金
・遺族年金と他の年金

など、状況によっては選択が
必要になります。

このとき大事なのは、

「どちらが有利なのかを判断する」

ことです。

ただ制度を知るだけではなく、
自分にとってどちらが有利かを
見る必要があります。

 

この記事を最後まで読むと、

・どの年金が一緒にもらえるのか
・どの年金は一部だけなのか
・どの年金は選択になるのか

ここが整理できます。

そして最終的には、

「自分のケースでは
どう考えるべきか」

という判断軸まで
分かるようになります。

 

年金制度は、
知らないと損をする制度です。

特に併給調整は、

「もらえると思っていた年金が
もらえない」

逆に

「もらえないと思っていた年金が
一部もらえる」

ということが起きやすい分野です。

ぜひ最後まで読んで、
なんとなく不安な状態から、
自分で判断できる状態に
変えていきましょう。

 

年金の併給調整とは?

ではここから、併給調整とは何かを
分かりやすく整理していきます。

 

まず、併給調整を一言でいうと、

複数の年金を受け取れる条件が
重なったときに、
どの年金を受け取れるのかを
調整する仕組み

です。

 

例えば、年金には大きく、

・老齢年金
・障害年金
・遺族年金

があります。

老後になれば老齢年金。
病気や障害があれば障害年金。
配偶者や親が亡くなれば
遺族年金。

このように、
それぞれ目的が違います。

 

ただし、状況次第では、
これらが重なることがあります。

例えば、

「自分の老齢年金を
受け取っている途中で、
配偶者が亡くなり、
遺族年金の対象になる」

というケースです。

このときに、

「自分の年金もある」
「遺族年金もある」

では両方そのまま全部
もらえるのか?

ここで出てくるのが、併給調整です。

 

基本の考え方は、

「同じ目的・同じ性質の年金は、
重複して満額は受け取れない」

ということです。

 

なぜなら年金制度は

「発生した事情に応じて
生活を支える制度」

だからです。

 

老齢年金は、
老後の生活を支えるもの。

障害年金は、
障害による収入減を支えるもの。

遺族年金は、
家族を失った後の生活を支えるもの。

目的が違うように見えても、
実際に同時に受け取る場合には、
制度上の調整が入ります。

 

ここで重要なのは、

併給調整=全部もらえない制度

と単純に覚えないことです。

なぜなら、実際には
4つのパターンがあるからです。

1つ目はそのまま併給できる年金
2つ目は一部だけ併給できる年金
3つ目は条件付きで併給できる年金
4つ目は併給できず、どちらかを選ぶ年金

です。

つまり併給調整は、

「もらえるorもらえない」の
二択ではなく、組み合わせで決まる

ということです。

ここが非常に大事です。

 

例えば、
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、
基本的に一緒に受け取れます。

これは、基礎年金と厚生年金が
1階部分と2階部分という関係
だからです。

 

一方で、自分の老齢厚生年金と
遺族厚生年金は、単純に全部を足して
受け取れるわけではありません。

併給調整が入り、結果として
一部だけ上乗せされる形になります。

 

さらに、障害年金と老齢年金のように、
原則として選択が必要になる
ケースもあります。

 

このように、
年金は名前だけで判断すると危険です。

「どの年金とどの年金が
重なっているのか」

「基礎年金なのか、厚生年金なのか」

「本人の年金なのか、
配偶者の年金なのか」

ここを分けて考える必要があります。

 

FP式「併給調整」判断方法

年金相談で併給調整の話になると、
私はまずこう整理します。

まず、発生している年金を
全部書き出します。

 

例えば、

・自分の老齢基礎年金
・自分の老齢厚生年金
・配偶者死亡による遺族厚生年金

このように、まず種類別に並べます。

次に、それぞれが

基礎年金なのか、
厚生年金なのか

を分けます。

そして最後に、

どれが満額受け取れて、
どれが調整されるのか

を見ます。

この順番で考えると、併給調整は
かなり整理しやすくなります。

 

最初から

「結局いくらもらえるのか?」

を考えてしまうと、逆に混乱します。

 

なぜなら、併給調整は
年金名だけではなく、
組み合わせで結果が変わるからです。

 

例えば、

「自分の年金が10万円、
遺族年金が8万円あるから、
合計18万円もらえる」

と思っていたら、
実際には併給調整されて、
それより少なくなることがあります。

 

逆に、

「どうせ片方しかもらえない」

と思っていたら、併給調整で
一部が上乗せされる場合もあります。

 

つまり、併給調整を知らないと

「もらえると思っていた金額と
実際の金額がズレる」

ということが起きます。

 

このズレは、
老後生活ではかなり大きいです。

毎月数万円の違いでも、
1年で数十万円。

10年、20年では数百万円の差に
なります。

だからこそ、併給調整は、

難しいから避けるテーマではなく、
老後設計では必ず確認するテーマ

なんです。

 

併給可能な年金

まずは一番分かりやすい、

併給可能な年金

から見ていきましょう。

 

ここで大事なのは、年金には

「重複してはいけないもの」

もありますが、

「最初からセットで受け取る
前提になっているもの」

もある、ということです。

 

① 老齢基礎年金 + 老齢厚生年金

まず代表的なのが、
この組み合わせです。

これは多くの会社員・公務員経験者が
受け取る基本形です。

日本の年金はよく、

2階建て

と言われます。

1階部分が「老齢基礎年金」
2階部分が「老齢厚生年金」

です。

つまりこれは、別々の年金が
たまたま重なっているのではなく、
もともとセットで考える年金です。

 

例えば、

老齢基礎年金が月6万5千円
・老齢厚生年金が月8万円

この場合、

6万5千円 + 8万円

合計で、月14万5千円という形で
受け取れます。

 

ここは併給調整で削られるものでは
ありません。

つまり、

「基礎年金と厚生年金は、
原則として一緒に受け取れる」

と理解してください。

 

② 老齢基礎年金 + 遺族厚生年金

これは、特に配偶者を亡くした方の
年金設計でよく出てきます。

例えば、

妻が自分の老齢基礎年金を
受け取っている。そこに、夫が亡くなったことで
遺族厚生年金が発生する。

この場合、

自分の老齢基礎年金は
そのまま受け取る

その上で、

遺族厚生年金を受け取る

という形になることがあります。

 

ここで大事なのは、

基礎年金と厚生年金は階層が違う

ということです。

老齢基礎年金は1階部分
遺族厚生年金は2階部分

そのため、一定の条件のもとで
一緒に受け取ることができます。

 

ただし、ここで注意が必要です。

遺族厚生年金と
自分の老齢厚生年金が重なる場合は、
後ほど説明する

部分併給

の話になります。

老齢基礎年金と遺族厚生年金は
比較的分かりやすい一方で、
老齢厚生年金と遺族厚生年金が絡むと、
調整が入るということです。

 

③ 障害基礎年金 + 老齢厚生年金

障害基礎年金を受け取っている人が、
一定の年齢になり、
自分の老齢厚生年金を
受け取れるようになるケースがあります。

 

この場合、

障害基礎年金 + 老齢厚生年金

という組み合わせで
受け取れる場合があります。

 

なぜかというと、

「障害基礎年金は基礎年金部分、
老齢厚生年金は厚生年金部分」

だからです。

ここでも考え方は同じです。

基礎年金部分と厚生年金部分は、
組み合わせて受け取れる場合がある

ということです。

 

ただし、障害年金が絡む場合は、
障害の等級や加入状況、
老齢年金との選択など、
個別確認が非常に重要になります。

 

ここでは、まず考え方として、

基礎年金と厚生年金は、
階層が違うため併給可能な
ケースがある

と押さえてください。

 

④ 遺族厚生年金 + 老齢基礎年金 + 一部の老齢厚生年金

ここは実務で非常に多いところです。

例えば、夫が亡くなった妻のケースです。

妻自身が、

・老齢基礎年金
・老齢厚生年金

を持っている。

そして夫の死亡により、

・遺族厚生年金

が発生する。

 

この場合、妻は老齢基礎年金は
そのまま受け取ります。

そして厚生年金部分については、
自分の老齢厚生年金と
遺族厚生年金の関係で調整が入ります。

つまり、全体像としては、

老齢基礎年金
+ 調整後の厚生年金部分

という形になります。

 

ここであなたに覚えていただきたいのは、
基礎年金部分は
比較的そのまま残りやすい

一方で、

厚生年金部分は調整されやすい

というイメージです。

このイメージを持つだけで、
併給調整はかなり理解しやすく
なります。

 

部分併給される年金

 

ではここから、
併給調整の中で一番重要で、
一番混乱するポイントを解説します。

それが

「部分併給」

です。

 

部分併給とは、

「全部はもらえないけど
一部だけ上乗せされる仕組み」

です。

 

年金には、

「同じ性質の年金は
重複して満額はもらえない」

というルールがあります。

 

しかし一方で、

生活保障として一定額は確保する

必要もあります。

 

このバランスを保つために出来たのが、
部分併給です。

 

部分併給で一番よくあるケース

実際に一番多いケースが、

老齢厚生年金 + 遺族厚生年金

です。

例えば、

自分の老齢厚生年金:10万円
遺族厚生年金:15万円

 

このとき、

「全部合わせて25万円」

にはなりません

 

ではどうなるのか?

答えは、

「差額だけ上乗せ」

されます。

 

つまり、

15万 − 10万 = 5万円

この5万円が上乗せされ、
結果、合計15万円となります。

 

部分併給の考え方

「同じ厚生年金同士だから
満額2つはだめでも、ゼロにもならない」

その中間が“差額”という考え方です。

 

そこで上記のパターンの
逆を考えてみましょう。

自分の年金:15万
遺族年金:10万

この場合は、上乗せはありません。

基本的に自分の年金が優先支給されます。

この場合は、

自分の年金の方が多いため、
支給の必要なし

と判断されるわけです。

 

これは年金制度の基本ですので、
他の記事でも書いていますが、
年金は「儲けるため」に
支給されるわけではありません

あくまでも最低限の「生活の土台」を
崩さないために支給されるお金です。

そのため、
「一人一年金」が大原則
となっているわけです。

 

条件付きで併給される年金

 

条件付き併給とは、

条件によってもらえる年金が
変わる仕組み

です。

 

つまり、

同じ年金でも
人によって結果が変わる

ということになります。

 

年金は、

・年齢
・加入期間
・障害の状態
・配偶者の状況

これらで判断されます。

 

障害年金 + 老齢年金の関係

 

ではここから、

障害年金と老齢年金の関係

を、さらに分かりやすく整理します。

 

ここで重要なのは、

「基礎年金」と「厚生年金」で
考え方が違う

という点です。

 

障害年金と老齢年金は、
組み合わせによって
「併給できる・できない」が変わります。

これが前提です。

 

基礎年金同士(障害基礎年金 + 老齢基礎年金)

この場合は原則併給不可で、
どちらか一方を選択することに
なります。

なぜかというと、
どちらも「基礎年金」であり、
同じ階層の年金だからです。

 

例えば、

障害基礎年金:10万円
老齢基礎年金:7万円

この場合は、
障害基礎年金を選ぶということに
なります。

 

厚生年金同士(障害厚生年金 + 老齢厚生年金)

この場合も同じで、
原則併給不可のため、
どちらか有利な方を選ぶことに
なります。

理由は基礎年金と同じで、
どちらも厚生年金という
同じ階層だからです。

 

基礎+厚生の組み合わせ

 ここで複雑になってくるのが、
基礎と厚生の階層の違う
組み合わせです。

結論としては、
以下の組み合わせは、
65歳以降という条件付きで、
併給可能です。

・老齢基礎年金+遺族厚生年金
・障害基礎年金+老齢厚生年金
・障害基礎年金+遺族厚生年金

 

主な年金支給条件

前項で65歳以降なら併給可能という
条件がありましたが、
他にも注意すべき条件があります。

 

まず、遺族基礎年金は
18歳未満の子がいることが
条件になります。

また遺族厚生年金の場合は、
受け取る遺族が父母、
または祖父母の場合は、
55歳以上という年齢条件があります。

 

そして障害年金に関しては、
障害厚生年金は1級から3級まで
ありますが、
障害基礎年金は1級と2級しか
ありませんので、ここも要注意です。

他にも年金の支給には、
細かい支給要件がありますので、
自分に該当する年金に関しては、
しっかりと理解しておく必要が
あります。

 

併給不可の年金

ではここから、完全に併給できない
年金を整理していきます。

ここは条件等も関係ありませんので、
結論からいきます。

同じ種類・同じ階層の年金は
同時にはもらえません

これが大原則です。

 

そして前項で65歳以降なら併給可能な
基礎+厚生の組み合わせがありました。

そのそれぞれの組み合わせの
逆パターンは、65歳以降に関係なく、
併給不可です。

具体的には以下の組み合わせです。

・老齢厚生年金+遺族基礎年金
・障害厚生年金+老齢基礎年金
・障害厚生年金+遺族基礎年金

この3パターンが併給不可となりますので、
覚えておいて下さい。

 

併給可能かどうかを見分けるコツ

 

ここで一度、併給調整の組み合わせを
整理しましょう。

併給可能かどうかを見るときは、
いきなり年金名だけで
判断しないでください。

見るべきポイントは、

「基礎年金なのか、
それとも厚生年金なのか」

です。

基礎年金と厚生年金の
組み合わせなら、
併給できるケースが多い。

一方で、

・厚生年金同士
・基礎年金同士

このように同じ階層の年金が重なると、
調整や選択が必要になりやすい。

この視点がとても重要です。

 

FPの「年金併給調整」判断実況

年金相談では、
私はまず年金をこのように分けます。

 

まず、1階部分。
基礎年金は何があるか。

次に、2階部分。
厚生年金は何があるか。

この2つに分けます。

 

例えば、

・老齢基礎年金
・老齢厚生年金
・遺族厚生年金

この3つが出てきた場合、
まず老齢基礎年金は1階部分なので、
基本的に残ります。

次に、
老齢厚生年金と遺族厚生年金は、
どちらも厚生年金部分なので
併給調整を見ます。

この順番で考えると、併給調整は
かなり整理しやすくなります。

 

逆に、

「老齢年金と遺族年金は
両方もらえますか?」

とざっくり考えると、混乱します。

正しくは、

「老齢基礎年金はどうなるのか」
「老齢厚生年金はどうなるのか」
「遺族厚生年金はどう調整されるのか」

このように分解して考えることが大切です。

 

年金併給調整ケーススタディ

ここまでで、併給調整のルールは
整理できました。

ただ、

「で、自分はどうなるの?」

ここが一番気になると思います。

 

ですので、ここからは、
実際によくあるケースを使って、

「併給調整をどう判断するのか」

まで具体的に見ていきます。

 

ケース① 夫が死亡した妻(最も多いパターン)

まず一番多いケースです。

・妻:65歳
・老齢基礎年金:7万円
・老齢厚生年金:5万円

夫が亡くなり、

・遺族厚生年金:10万円

が発生したとします。

 

ここでの誤解は、

7万 + 5万 + 10万 = 22万

こう考えてしまう人が多いですが、
当然ですが、併給調整が行われます。

 

まず分解します。

① 老齢基礎年金(7万)
② 老齢厚生年金(5万)
③ 遺族厚生年金(10万)

厚生年金同士が重なっていますので、
ここが差額調整されます。

10万 − 5万 = 5万

つまり支給額は、

7万(基礎)+10万(厚生)
=17万円

 

となり、22万円ではなく、
17万円の支給になります。

 

ケース② 障害年金 → 老齢年金への移行

・障害基礎年金:10万円
・老齢基礎年金:7万円

このパターンですが、
基礎年金同士ですので、
併給不可です。

10万円の障害基礎年金を
選択することになります。

ただし障害等級に該当しなくなった
(治癒、もしくは軽度)場合は、
障害基礎年金が支給停止になりますが、
その場合は老齢基礎年金が支給されます。

 

ケース③ 障害基礎年金+老齢厚生年金

・障害基礎年金:8万円
・老齢厚生年金:6万円

 

基礎年金と厚生年金の
組み合わせパターンです。

65歳以降で併給可能になります。

8万 + 6万 = 14万円

これはそのまま足せますので、
14万円の支給となります。

 

ちなみに

老齢厚生年金の1階部分である
「老齢基礎年金」部分は、
「障害基礎年金」と調整されます

ので、注意が必要です。

 

ケース④ 遺族厚生年金+障害基礎年金

・障害基礎年金:8万円
・遺族厚生年金:10万円

これも基礎年金と厚生年金の
組み合わせパターンで、
65歳以降で併給可能になります。

8万 + 10万 = 18万円

 

65歳未満であれば、65歳になるまで
障害基礎年金を支給停止にして、
10万円の遺族厚生年金を受け取る方が
良いでしょう。

遺族厚生年金の1階部分である
「遺族基礎年金」は、
18歳未満の子がいなければ、
そもそも支給されませんので、
これも注意が必要です。

 

外部制度と年金制度との併給調整

ここまで年金制度だけでの
併給調整を見てきましたが、実は、

年金制度以外の制度との併給調整

も行われます。

「雇用保険」
「労災保険」

この2つの保険との併給調整も
行われますので、
最後に解説しておきます。

 

労災保険の障害補償年金+障害厚生年金

労災保険は

「仕事中の災害(労働災害)」

に対する保険であり、
会社員が加入している厚生年金と
役割が重なるため、併給調整されます。

労災保険の「障害補償年金」
「障害厚生年金」の場合は、
障害厚生年金は全額給付されますが、

障害補償年金は
所定の調整率により減額

されます。

「障害基礎年金」は、
労災保険との関連性はありませんので、
併給調整は行われません。

 

雇用保険の失業給付と65歳未満の特別支給の老齢厚生年金

次に、雇用保険と年金の併給調整です。

65歳未満の「特別支給の老齢厚生年金」
雇用保険の「失業給付」
併給不可となります。

理由は

・失業手当 → 働けない間の生活費
・年金 → 老後の生活費

と、同じ「生活費補填」であり、
支給の役割が重なるからです。

このパターンでは、

特別支給の老齢厚生年金が支給停止

になります。

ただし65歳以上の
「高年齢求職者給付金」
年金は併給可能となります。

 

以上の2パターンは
よくある併給調整パターンになりますので、
該当する場合は注意して下さい。

 

FPが行う年金併給調整判断ステップ

ここまで、
併給調整のルールを見てきました。

ただ、ここで多くの人がこうなります。

「なんとなく分かったけど
自分の場合はどう判断すればいいの?」

ここが一番大事です

そこでFPである私が実務で必ずやるのは、
次の併給調整判断ステップです。

STEP① 全部書き出す

・老齢基礎年金
・老齢厚生年金
・遺族厚生年金
・障害基礎年金

STEP② 「基礎」と「厚生」に分ける

1階(基礎)
2階(厚生)

STEP③ 同じ階層をチェック

基礎 vs 基礎 → 選択
厚生 vs 厚生 → 調整

STEP④ 残ったものを組み合わせる

基礎 + 厚生 → OK

STEP⑤ 実際に当てはめる

例えば、

・老齢基礎 7万円
・老齢厚生 5万円
・遺族厚生 10万円

・基礎:7万円
・厚生:5万円・10万円
※厚生同士 → 差額

7万 + 10万 = 17万

これで実際に支給される年金が
算出されます。

 

年金併給調整パターンのまとめ

① 併給可能

・老齢基礎年金 + 老齢厚生年金
・障害基礎年金 + 障害厚生年金
・遺族基礎年金 + 遺族厚生年金

65歳以降に併給可能

・老齢基礎年金 + 遺族厚生年金
・障害基礎年金 + 遺族厚生年金
・障害基礎年金 + 老齢厚生年金

③ 併給不可

・老齢基礎年金 + 障害厚生年金
・遺族基礎年金 + 老齢厚生年金
・遺族基礎年金 + 障害厚生年金

 

併給調整の最重要ルールとして、
以下の3ポイントだけ
覚えておくと良いでしょう。

① 基礎 vs 基礎 → NG(選択)
② 厚生 vs 厚生 → NG(調整 or 選択)
③ 基礎 + 厚生 → OK(併給可能)

これだけで併給調整の8割は理解できます。

 

迷ったら、プロの判断基準を
このブログで手に入れて下さい。

FP実況中継でした。