【体験談】繰下げ受給中に亡くなったらどうなる?未支給年金を知らずに後悔した71歳女性の体験談

近年、年金の繰下げ受給を選ぶ人が
増えています。

65歳から受け取らず、
66歳以降に受給開始を遅らせることで
年金額が増えるため、

「少しでも年金を増やしたい」

「まだ働いているから
受け取らなくても大丈夫」

「長生きするなら得になる」

と考える人が多いからです。

しかし、その一方で
あまり知られていないのが、

繰下げ受給中に亡くなった場合

です。

 

繰下げ受給と未支給年金は意外と知られていない

実際、

「70歳から受け取る予定だったのに、
その前に亡くなったら
年金はどうなるの?」

と疑問を持つ人も少なくありません。

そして、

繰下げ中に亡くなると
年金が全部なくなる

と思い込んでいる人もいます。

ところが実際には、
一定の条件を満たせば、
65歳以降に受け取るはずだった年金を

『未支給年金』として請求できる

ケースがあります。

この制度を知らないまま
手続きをしなかったことで、
後悔する遺族も少なくありません。

今回は、繰下げした場合の
未支給年金を知らずに、
危うく請求しないままになりそうだった
71歳女性の体験談をご紹介します。

 

71歳女性の生活体験談

私の夫は69歳で亡くなりました。

突然のことでした。

大きな病気もなく、
「70歳までは元気に働く」と
本人も言っていたくらいです。

だから、
まさかこんなに早く亡くなるなんて
思ってもいませんでした。

 

夫は70歳まで繰下げ受給を予定していた

 

夫は65歳になった時、
年金を受け取らずに繰下げることを
選びました。

理由は単純です。

年金額が増えるからでした。

 

テレビや雑誌でも、

「繰下げ受給がお得」

という話をよく見ていました。

夫自身も、

「どうせ働いているし、
70歳から増えた年金をもらうよ」

と言っていました。

 

私は年金制度について
詳しくありませんでしたが、
夫がそう決めたので、

「そういうものなんだろうな」

と思っていました。

 

葬儀や手続きで頭がいっぱいだった

夫が亡くなった後は、本当に大変でした。

・葬儀
・相続
・銀行口座
・保険
・役所の手続き

やることが山ほどありました。

毎日が慌ただしく過ぎていき、
年金のことまで考える余裕は
ありませんでした。

 

私の中では、

「夫はまだ年金をもらっていなかった」

という認識だったので、
特に何も請求するものはないと
思っていたのです。

 

偶然聞いた「未支給年金」の話

転機になったのは、知人との会話でした。

夫を亡くして半年ほど経った頃です。

その知人から、

「繰下げ中だったなら
未支給年金は確認した?」

と聞かれました。

私は意味がわかりませんでした。

夫は年金を
受け取っていなかったのだから、
未支給も何もないと思っていたんです。

すると知人が、

「年金事務所で聞いたほうがいいよ」

と言いました。

 

知らなかったことを後悔した

後日、年金事務所へ相談しました。

そこで初めて、

夫が65歳以降に受け取ることが
できたはずの年金について、
遺族が請求できる可能性があることを
知ったのです。

 

私は本当に驚きました。

そして同時に、

「どうして誰も
教えてくれなかったんだろう」

と思いました。

 

もちろん制度には条件があります

誰でも同じように
受け取れるわけではありません。

ですがそれ以前に、
私は制度そのものを知りませんでした。

そのことがとても悔しかったのです。

 

一番つらかったのは「知らなかったこと」

今振り返って思うのは、
お金の問題だけではありません。

夫が一生懸命働きながら、

「少しでも年金を増やそう」

と考えて選んだ繰下げ受給。

その結果について、私自身が
何も理解していなかったことが
悔しかったのです。

 

もし事前に知っていれば、
夫婦で話し合えたかもしれません。

必要な書類も
準備できたかもしれません。

だから今では、
友人から年金の話を聞かれたら、

「繰下げするなら
未支給年金のことも
知っておいたほうがいいよ」

と伝えるようにしています。

 

この体験談に対するFPとしてのアドバイス

このケースは、
実際に非常に多い誤解の一つです。

多くの人が、

「繰下げ中に亡くなったら
年金はすべて消える」

と思っています。

しかし実際には、
繰下げ待機中に亡くなった場合でも、
一定の条件のもとで

未支給年金として請求できる

ケースがあります。

そのため、
繰下げ受給を検討している方は、

「年金額が増える」

だけでなく、

「万が一の場合にどうなるのか」

も理解しておくことが重要です。

 

また、遺族の側も、

・未支給年金
・遺族年金
・死亡一時金
・寡婦年金(該当者)

など、利用できる制度を
確認することが大切です。

実際の相談現場でも、
制度を知らなかったために

手続きが遅れたり、
請求できるものを見逃していたりする

ケースがあります。

特に配偶者が亡くなった直後は、
精神的にも大変な時期です。

だからこそ、

元気なうちに夫婦で年金制度について
話しておくこと

が重要です。

 

繰下げ受給は確かに魅力的な制度です。

しかし、

増える年金額

だけを見るのではなく、

万が一の時に遺族がどうなるのか

まで含めて考えることが、
本当の意味での老後対策と言えるでしょう。

 

もし今、繰下げ中で、
まだ未支給年金について
確認していないのでしたら、

一度ご自身やご家族の状況を整理し、
必要な手続きを確認しておくことを
おすすめします。

制度を知っているかどうかで、
大きな差が生まれることも
あるのです。