知らないと損する節税7選|税金を払いすぎないための控除と対策【50代・60代必見】

「あなたは毎年、
税金を払いすぎていませんか?」

こう聞かれて、

「いや、会社員だから
税金は会社が計算しているし、
払いすぎることなんて
ないでしょう」

そう思った方。

実はそういう方にこそ、
今回の動画を最後まで
見ていただきたいんです。

なぜなら、

税金は、知らない人ほど
そのまま払ってしまう可能性がある

からです。

 

  1. 毎年の税金、払い過ぎていませんか!?
  2. 節税することが目的ではありません
  3. あなたが「やるべき節税」とは!?
  4. そもそも「節税」とは何なのか
  5. 知らないと損する節税①「所得控除を取りこぼさない」
    1. 源泉徴収票を確認する
    2. 社会保険控除を確認する
    3. 生命保険料控除・地震保険料控除を確認する
    4. FP相談でのモデルケース
    5. 控除の適用条件を確認する
  6. 知らないと損する節税②「医療費控除」
    1. 医療費控除の注意すべきポイント
    2. 介護の自己負担額も医療費控除の対象になり得る
    3. セルフメディケーション税制とは
    4. 医療費控除は【確定申告】が必要
    5. 医療費控除の誤解
  7. 知らないと損する節税③「ふるさと納税」
    1. 【ふるさと納税】で多い誤解
    2. ワンストプ特例制度とは?
    3. ふるさと納税を正しく効果的に利用する
  8. 知らないと損する節税④「iDeCo」
    1. iDeCoの節税効果の仕組み
    2. iDeCoとNISAの違い
    3. iDeCoを受け取る時の税金
    4. 2026年12月のiDeCoの制度改正
    5. iDeCoの本来の目的は「老後資金の準備」です
    6. FPがiDeCoを判断する流れ
  9. 知らないと損する節税⑤「住宅・家族・働き方」
    1. 住宅ローンと税金
    2. 家族と税金
    3. 働き方と税金
  10. 50代・60代が特に注意したい「年金と税金」
    1. 「年金が増えれば、手取りも同じだけ増える」とは限らない
    2. 60代は「給与+年金」に注意
    3. 年金から税金が引かれているから「全部終わっている」とは限らない
    4. 夫婦なら「自分の年金」だけを見ない
    5. 50代のうちに確認しておきたいこと
  11. 実際のFP相談実況「節税した方がいいですか?」
    1. いきなり「節税額」を計算しない
    2. 次に「すでに使える控除」を確認する
    3. 医療費を確認する
    4. ふるさと納税を確認する
    5. iDeCoを検討する
    6. 生命保険で節税する?
    7. 55歳から65歳の家計の大きな変化を考える
    8. 節税を考える上での優先順位
  12. FPの判断実況「節税より大切なこと」
    1. 「使える制度」と「使うべき制度」は違う
    2. 最初に見るべきは「税金」ではない
    3. 「節税より収入を増やす」という選択肢もある
    4. 節税の「優先順位」をもう一度復習します
    5. 最終的にFPが見ている3つのもの
    6. 「節税は目的ではない」ことを理解して下さい

毎年の税金、払い過ぎていませんか!?

 

例えば会社員の場合、
毎月の給料から所得税が
引かれます。

住民税も引かれます。

社会保険料も引かれます。

そして年末になると
年末調整があります。

ですから、

「税金のことは会社が全部
やってくれている」

と思ってしまいがちです。

しかし、本当にそうでしょうか?

 

会社は、あなたの人生すべてを
知っているわけではありません。

✔ 今年、家族のために
どのくらい医療費を払ったのか。
✔ どんな家族構成なのか。
✔ 親の生活費を負担しているのか。
✔ iDeCoを利用しているのか。
✔ 住宅ローンはどうなっているのか。
✔あなた自身が利用できる制度を、
すべて正しく利用しているのか。

 

これらを最終的に確認するのは
自分自身です。

 

実際、
税金にはさまざまな控除が
あります。

・医療費控除
・社会保険料控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・扶養控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除

さらに、
iDeCoやふるさと納税なども
あります。

 

しかし、

【制度】というものは、
知らなければ、
そもそも自分が対象になるのか
確認しません。

ここが重要なんです。

 

「今年は
病院代が結構かかったな」

と思いながら、
そのままにしている。

あるいは、

「ふるさと納税は
やっているから大丈夫」

と思っているけれど、
確定申告との関係まで
確認していない。

生命保険料控除についても、

「保険に入れば
税金が安くなるから得ですよ」

と言われて、
なんとなく保険に入っている。

iDeCoについても、

「節税になるから、
できるだけ掛金を増やした方がいい」

と思っている。

しかし、
ちょっと待ってください。

 

ここからが、
今回の動画で一番重要なところです。

節税というと、

「税金をできるだけ払わない方法」

だと思っていませんか?

私はFPとして、そうは考えません。

 

こんなケースを
考えてみてください。

税金を1万円減らすために、
必要のないものに
3万円使いました。

確かに税金は1万円減りました。

では、あなたは
1万円得したのでしょうか?

違いますよね。

 

3万円使って、
1万円税金が減ったとしても、
手元から出ていった
お金の方が大きい。

ところが節税になると、
この当たり前の計算が
見えなくなることがあります。

 

「税金が安くなる」

という言葉だけで、
得をしたような気持ちに
なってしまう。

これが

節税の一つの落とし穴

なんです。

 

もう一つ考えてみましょう。

55歳の会社員。

これから子どもの大学費用がかかる。

住宅ローンも残っている。

手元の貯金は、それほど多くない。

 

そんな人が、

「iDeCoは節税になりますよ」

と言われたとします。

確かに、
税制上のメリットはあります。

 

でもFPとして私が最初に考えるのは、

「いくら節税できますか?」

ではありません。

 

私なら最初にこう考えます。

そのお金、今後の生活で
必要になりませんか?

 

・教育費は大丈夫なのか。
・住宅ローンは?
・生活防衛資金は?
・60歳以降の収入は?
・老後資金はいくら必要なのか。

ここまで見て、初めて、

「では、この制度を
利用する意味がありますね」

という判断になります。

 

つまり、

節税というのは、
単独で考えてはいけない

んです。

 

✔ 家計とセット
✔ 老後資金とセット
✔ 投資とセット
✔ 保険とセット
✔ 年金ともセット

で考える必要があります。

 

特に50代以降は、
お金の流れが大きく変わります。

・子どもが独立する
・住宅ローンの終わりが見えてくる
・定年が近づく
・退職金を受け取る
・再雇用で働く
・年金を受け取り始める

 

✔ 収入も変わります
✔ 税金も変わります
✔ 社会保険料も変わります

 

つまり50代・60代というのは、

人生の中でも
「税金の見直し」が
重要になる時期

なんです。

 

しかし多くの方は、
20代、30代の
会社員時代と同じように、

「税金は会社に任せておけばいい」

と考えたまま50代、60代を迎えます。

 

そして、

・退職
・再雇用
・年金
・医療費
・相続

こうした問題が一気に現れてから、

「こんな制度があったんですか?」

「これ、申告すれば
よかったんですか?」

「もっと早く知っておけばよかった」

となることがあります。

 

ですので今回の動画では、
単純な、

「おすすめ節税方法5選!」

という話はしません。

・医療費控除
・所得控除
・ふるさと納税
・iDeCo
・住宅や家族に関係する税制
・年金と税金

 

こうした代表的な制度を
取り上げながら、
さらに一歩踏み込んで、

FPなら、
どの節税を優先するのか?

ここまで実況します。

 

節税することが目的ではありません

そして、今回の動画で
ぜひ覚えておいていただきたい
考え方があります。

それが、

節税は、目的ではない

ということです。

 

税金を減らすことが
ゴールではありません。

本当のゴールは、

あなたと家族の手元に、
できるだけ多くのお金を残すこと

です。

 

もっと言えば、
これからの人生で安心して
使えるお金を残すことです。

 

ですからFPは、

「一番税金が安くなる方法は?」

という視点だけでは考えません。

私なら、

税金を減らした結果、
あなたの家計は本当に
良くなるのか?

ここを見ます。

これが今回の動画の最大の
ポイントです。

 

そして、動画の後半では
具体的なモデルケースも使います。

・55歳
・会社員
・年収600万円
・妻と大学生の子どもがいる
・住宅ローンも残っている
・貯金は500万円

 

この人から、

「何か節税した方が
いいでしょうか?」

と相談されたら、
FPは何から確認するのか。

ふるさと納税?
iDeCo?
生命保険?
医療費控除?

それとも、
そもそも節税より先に
やることがあるのか。

実際のFP相談を
イメージしながら、
私ならどう考えるのか、
その判断の順番までお話しします。

 

「会社員だから税金は関係ない」
「年末調整をしているから大丈夫」
「節税なんてお金持ちがやるもの」

そう思っている方ほど、
ぜひ最後までご覧ください。

 

そして記事を読み終わったとき、

「この節税方法がお得だった」

だけではなく、

「自分の場合は、
何を確認すればいいのか」

ここまで分かる状態を目指します。

 

税金は、知らないだけで、
使える制度を見落とす可能性が
あります。

しかし、知っているだけでも
十分ではありません。

大切なのは、

その制度を、
自分の家計で使うべきなのか。

そして、

いつ使うべきなのか。

そこまで判断することです。

 

この記事では、

「知らないと損する節税」

というテーマで、
制度の説明だけではなく、

「人生のお金の分岐点で、
FPならどう判断するのか」

その思考の裏側まで、
すべて実況していきます。

 

あなたが「やるべき節税」とは!?

この動画では、単純に、

「この制度を使えば
税金が安くなります」「この控除がお得です」

という話だけを
するわけではありません。

なぜなら、節税方法を知るだけなら、
インターネットで検索すれば
たくさん出てくるからです。

大切なのは、その先です。

 

自分の場合、
どの制度を使うべきなのか?

ここを判断できるようになること。

これがこの記事の目的です。

 

「医療費控除は知っています」

「ふるさと納税も知っています」

「iDeCoが節税になることも
知っています」

という方は多いと思います。

 

しかし、

知っていることと、
正しく使えることは別

です。

さらに言えば、

使えることと、
使った方がいいことも別

です。

ここが今回、
非常に重要なポイントです。

 

例えば「iDeCo」。

税制上のメリットがあることは
知っている。

 

それでは、

・50代で住宅ローンが残っている
・これから子どもの大学費用が必要
・手元の貯金があまり多くない

こんな人でも、
節税になるから掛金を
できるだけ増やした方が
いいのでしょうか?

これは別の問題ですよね。

 

あるいは生命保険。

生命保険料控除があります。

それでは、控除があるから、
保険に入った方が
得なのでしょうか?

これも違います。

 

必要のない保障にお金を払って、
結果として税金が
少し安くなったとしても、
家計全体ではマイナスになる
可能性があります。

 

ですからこの記事では、

「節税できる制度」

だけではなく、

「使える制度」と
「使うべき制度」は違う

というところまで
踏み込んでいきます。

 

具体的には、まず、
会社員でも確認しておきたい
代表的な所得控除、

・配偶者や扶養家族
・社会保険料
・生命保険
・地震保険

こうしたものについて、

「会社が年末調整を
してくれているから大丈夫」

で終わらせず、

自分で何を確認したらいいのか

ここを見ていきます。

 

そして次に、
50代・60代になると
特に利用する可能性が高くなる、
医療費控除。

「医療費が
10万円を超えなければ関係ない」

と思っている方も
いるかもしれません。

 

しかし、医療費控除には
所得によって計算が変わる部分が
ありますし、

自分だけではなく
一定の家族のために支払った
医療費を含めて考えられる場合も
あります。

 

さらに、
セルフメディケーション税制との
違いは何なのか。

こうしたところまで整理します。

 

そして、
利用している方も多い、
ふるさと納税。

ここでは、

「返礼品がお得です」

という話だけではありません。

 

そもそも、ふるさと納税は
本当に「節税」なのか?

ここから整理します。

 

さらに、

・控除上限
・ワンストップ特例
・確定申告
・医療費控除との関係

こうした、

実際に利用するときに
間違いやすいポイント

についても見ていきます。

 

さらに、このブログを
ご覧になっている50代の方には
特に重要な、

iDeCo

iDeCoには税制上のメリットがあります。

ですから、

「節税になるなら
iDeCoをやった方がいい」

という話をよく聞きます。

 

しかしFPとしては、
そこだけでは判断しません。

・年齢
・収入
・貯蓄
・住宅ローン
・教育費
・老後資金

そして、

「いつ使う予定のお金なのか」

こうした条件まで見たうえで、

「iDeCoを優先するのか」

「手元資金を優先するのか」

「NISAとのバランスを
どうするのか」

を考えます。

 

ここでは、

節税だけを見ないFPの判断基準

を実況します。

 

そして、
今回もう一つ重要なのが、
50代・60代の税金です。

 

この年代になると、
20代、30代とは、
お金の状況が大きく変わってきます。

・子どもが独立する
・住宅ローンの返済が進む
・配偶者の働き方が変わる
・定年を迎える
・再雇用になる
・退職金を受け取る
・年金を受け取り始める

 

つまり、50代・60代は、

税金の環境が
大きく変わる時期

でもあるんです。

だからこそ、

「会社員だから税金は会社任せ」

という考え方から、
少しずつ、

「自分で税金を確認する」

という考え方に
変えていく必要があります。

 

特に年金。

これまでこのブログでは、

・年金の繰上げ・繰下げ
・50代から年金を増やす方法
・年金の手取り

こうしたテーマを
取り上げてきました。

 

そこで何度もお伝えしているのが、

年金は額面だけを
見てはいけない

ということです。

年金を増やしたとしても、
実際に生活で使える金額は
どうなるのか。

税金や社会保険料まで含めて
考える必要があります。

 

つまり
今回の「節税」というテーマは、
これまでお話ししてきた
年金や老後資金とも
つながっているんです。

そしてこの記事の後半では、
ここまで紹介した制度を使って、

実際のFP相談をイメージした
ケーススタディ

をやります。

 

55歳
会社員
年収600万円
妻と大学生の子どもがいる
住宅ローンあり
貯金500万円

 

この方から、

「最近、税金が高い気がします」

「何か節税した方が
いいでしょうか?」

と相談されたとします。

 

皆さんなら、何をすすめるでしょうか?

ふるさと納税でしょうか。
iDeCoでしょうか。
生命保険でしょうか。
医療費控除でしょうか。

 

しかし、FPならその前に
確認することがあります。

そもそも、この人の家計に
節税する余裕はあるのか?

ここです。

 

・毎月いくら残っているのか
・防衛資金はいくらあるのか
・教育費はいくら必要なのか
・住宅ローンはいくら残っているのか
・60歳以降も働くのか
・退職金はいくらくらいなのか
・老後にいくら必要なのか

これを確認してから、初めて、

「では、
どの制度を使いましょうか」

という話になります。

ここが、一般的な「節税方法○選」と、
この記事の大きな違いです。

 

この記事では、

制度
↓
節税額
↓
家計
↓
老後
↓
人生設計

ここまでつなげて考えます。

 

そして記事の最後には、

よくある間違った節税

についてもお話しします。

「生命保険に入れば節税になるから得」
「iDeCoは節税になるから
限度額までやった方がいい」
「ふるさと納税はやればやるほど得」
「税金が減れば、
その分だけ得をしている」

 

こうした考え方が、
なぜ危険なのか。

ここも具体的に説明します。

 

そして最終的に、
今回の記事を読み終わったときに、
あなたにこう考えられるように
なっていただきたいんです。

「この制度はいくら得なの?」

ではなく、

「自分の場合、
この制度を使った方が
本当にお金が残るのか?」

という考え方です。

 

これは節税だけの話ではありません。

年金でも同じです。
投資でも同じです。
保険でも同じです。
家計でも同じです。

 

制度や商品だけを見れば、
「お得そうなもの」はたくさんあります。

しかし、その人にとって
本当に良い選択なのかは、
人生全体を見なければ
分かりません。

 

ですからFPは、単純に、

「一番税金が安くなる方法」

を探すわけではありません。

私が最終的に見るのは、

人生全体で、
いくらお金が残るのか

です。

 

そして、この記事を通して
一番お伝えしたいこと。

それは、

節税は、
税金を減らす技術ではなく、
手元に残るお金を
増やすための考え方

ということです。

税金を1万円減らすことより、
家計全体で10万円
多く残る方が
大切

です。

 

節税だけを見て、

家計を苦しくしては
いけません。

老後資金を減らしては
いけません。

必要な保障を削っては
いけません。

 

逆に、
使える制度を知らずに、
本来払わなくてもよかった
可能性のある税金を、
そのまま払ってしまうのも避けたい。

だからこそ、

「知る」

そして、

「自分の場合に当てはめる」

そして最後に、

「判断する」

この順番が大切です。

 

そもそも「節税」とは何なのか

 

それでは、
具体的な節税方法を見る前に、
非常に大切なことを
整理しておきましょう。

そもそも
「節税」とは何なのでしょうか?

「そんなの、
税金を安くすることでしょう?」

と思うかもしれません。

 

もちろん、
大きく言えばその通りです。

しかし、この

「税金を安くする」

という言葉だけで考えてしまうと、
節税で大きな勘違いをして
しまうことがあります。

 

まず最初に、節税について
一番大切なことを言います。

「節税とは、裏技ではありません」

 

何か特別な方法を使って、
本来払わなければいけない税金を
払わなくする。

そういう話ではありません。

それは「節税」ではなく、
「脱税」です。

 

法律で認められている制度の中で、
自分が利用できる控除や
優遇制度を正しく使う

これが節税の基本です。

 

医療費が多くかかった人には、
一定の条件で医療費控除が
あります。

社会保険料を支払っていれば、
社会保険料控除があります。

生命保険料を支払っていれば、
一定の条件で生命保険料控除が
あります。

家族の状況によっては、
配偶者控除や扶養控除などが
関係する場合があります。

そしてiDeCoにも、
掛金に対する税制上の仕組みが
あります。

 

つまり国の制度として、

こういう条件に該当する人は、
税金を計算するときに
考慮します

という仕組みが、
最初から用意されているわけです。

 

ですから、節税の第一歩は、
何か商品を買うことでは
ありません。

投資を始めることでも
ありません。

保険に入ることでも
ありません。

まず、

自分が使える制度を
取りこぼしていないか?

これを確認することです。

ここは非常に重要です。

 

そしてもう一つ、
節税を理解するうえで
知っておきたいのが、

「控除」という言葉

です。

税金の話になると、
必ずと言っていいほど
出てきますよね。

・所得控除
・税額控除
・医療費控除
・生命保険料控除
・配偶者控除
・扶養控除

しかし、

「控除って、
結局何なんですか?」

という方も多いと思います。

 

ここは難しく考えなくて大丈夫です。

年収500万円の会社員がいたとします。

ここで、

「500万円全部に、
そのまま所得税がかかる」

わけではありません。

給与所得の場合には
給与所得控除があります。

そこからさらに、
その人の状況によって
所得控除などを差し引いて、
課税される所得を計算していきます。

 

ものすごく簡単にイメージすると、

収入
↓
所得
↓
各種控除
↓
課税される所得
↓
税金を計算

という流れです。

細かな計算方法は
制度によって違いますが、
まずはこのイメージを
持ってください。

 

そして、ここで非常によくある
誤解があります。

「10万円の所得控除が
受けられます」

と言われたとします。

 

このとき、

「10万円税金が戻ってくる」

と思ってしまう方がいます。

 

違います。

ここは本当に重要です。

10万円の所得控除
=税金が10万円減る

ではありません。

 

所得控除の場合は、
基本的には税金を計算する
元になる所得から
一定額を差し引く仕組みです。

 

ですので、実際に税負担が
どれくらい変わるのかは、
その人の所得や
適用される税率などによって
変わります。

 

一方で、

税額控除

というものもあります。

こちらは、
一定の方法で計算した
税額そのものから差し引く
仕組みです。

 

 

つまり「所得控除」は、

税額を計算する前の
【所得】から控除されるもの

です。

一方「税額控除」は、

税額を計算した後の
【税金】から控除されるもの

です。

この「所得控除」と
「税額控除」の違いは
覚えておいてください。

ここを理解しておくと、
これから節税情報を見るときの
見方が大きく変わります。

 

インターネットで、

「○万円控除!」

という文字を見たとします。

 

その瞬間に、

「○万円得するんだ!」

と考えるのではなく、
一度立ち止まってください。

これは、所得控除なのか?
それとも税額控除なのか?

そして、自分の場合、
実際に税金はいくら変わるのか?

ここまで確認します。

これだけでも、
節税情報に振り回されにくく
なります。

 

そして、
ここからがFPとして
特にお伝えしたいところです。

 

節税メリットだけで判断しない

これがFPの考え方です。

 

節税について検索すると、

「○万円得する」
「知らないと損」
「絶対やるべき」

という言葉がたくさん出てきます。

もちろん、
制度を知ることは非常に大切です。

 

しかしだからと言って、

知っている制度を全部使えばいい

わけではありません。

 

Aという制度。
Bという制度。
Cという制度。

全部、税金を減らす効果があるとします。

だからといって、
すべての人にA・B・C全部が
必要とは限りません。

・年齢
・収入
・家族構成
・貯蓄
・住宅ローン
・これから使う予定のお金

これらによって、違ってきます。

 

そして50代・60代なら、

・退職
・再雇用
・年金
・老後資金

こうしたことまで
考えなければいけません。

 

つまり、
節税制度を見るときには、
二つの質問が必要なんです。

 

「私はこの制度を使えるのか?」
「私はこの制度を使うべきなのか?」

「使える」と「使うべき」は違います。

この違いを理解することが、
節税では非常に重要です。

 

そしてFPとしては、
さらに三つ目の質問をします。

「この制度を使った結果、
家計全体は
本当に良くなるのか?」

ここまで見ます。

 

FPが考える節税の優先順位を、
簡単に整理します。

 

まず、

①すでに払っている
必要な支出について、
使える控除を取りこぼして
いないか。

次に、

②家計や将来設計に必要な
制度の中に、税制メリットが
あるものはないか。

そして最後に、

③節税のためだけに、
余計な支出を増やしていないか。

 

この順番で考えます。

 

節税とは、怪しい裏技でも、
税金を無理やり払わなくする
方法でもありません。

法律で用意されている
制度を理解し、
自分が利用できるものを
正しく利用する。

 

そして、単純に
「税金がいくら減ったか」
だけではなく、
最終的に自分のお金が
いくら残るのか。

ここまで考えることです。

 

ですから、

 

この後に紹介する
節税方法についても、
毎回、三つの視点で
考えてみてください。

① 自分は使えるのか?
② 自分は使うべきなのか?
③ 使った結果、
家計は本当に良くなるのか?

この3つです。

この判断軸を持っているだけでも、
節税情報の見え方は
かなり変わると思います。

 

では、ここから具体的に見ていきましょう。

 

知らないと損する節税①「所得控除を取りこぼさない」

 

最初に確認していただきたいのが、

「所得控除を
取りこぼしていないか?」

ということです。

特に会社員の方。

こんなふうに
思っていないでしょうか。

「私は会社員だから、
税金は会社が全部計算して
くれている」

「毎年、年末調整もやっている」

「だから税金について、
自分で確認する必要は
ないでしょう」

 

確かに会社員の場合、
毎月の給与から所得税が
源泉徴収され、
年末には会社で年末調整を
行います。

ですから、自営業や
フリーランスの方と比べると、
自分で税金を計算する機会は
少ないですよね。

 

源泉徴収票を確認する

でも、ここで一つ
覚えておいてください。

年末調整をしている
=
自分が使える制度を
すべて確認できている

とは限りません。

ここが
今回の最初のポイントです。

 

会社が分かるのは、
基本的に会社へ正しく伝えた
情報だけです。

・配偶者の収入状況が変わった
・子どもの状況が変わった
・親の生活費を負担するようになった
・自分で社会保険料を支払った
・生命保険を見直した
・地震保険に加入した

こうした家族や生活の変化について、
必要な情報を
正しく申告していなければ、
当然ながら適切な処理に
つながらない可能性があります。

 

では、何を確認すれば
いいのでしょうか?

ここで登場するのが、

「源泉徴収票」

です。

会社員の方なら、
毎年受け取っていますよね。

 

しかし、
源泉徴収票を受け取って、
数字をきちんと確認して
いるでしょうか?

「何か紙をもらったな」

くらいで、そのまま
保管していないでしょうか。

 

実はこの源泉徴収票、
FPとして家計を見るときにも
非常に重要な資料なんです。

 

✔ 給与収入はいくらだったのか。

✔ 給与所得控除後の金額は
どうなっているのか。

✔ 所得控除は
どのくらい入っているのか。

✔ 源泉徴収された税額は
いくらなのか。

こうした情報を見ることができます。

 

そして私なら、
数字を見るだけではなく、
その人の生活と
照らし合わせます。

「奥さんは
いらっしゃいますか?」

「はい」
「働いていますか?」
「パートで働いています」
「年間の収入は
どのくらいでしょう?」

ここで、

配偶者控除や
配偶者特別控除の確認

という視点が出てきます。

もちろん、本人の所得や
配偶者の所得などの
要件がありますから、

「妻がパートなら
必ず控除できる」

という単純な制度では
ありません。

 

でも大切なのは、

家族の状況が変わったら、
税金も確認する

という習慣です。

 

以前は、配偶者がほとんど
働いていなかった。

ところが子どもが大きくなって、
パートの時間を増やした。

さらに数年後には、
フルタイムで働き始めた。

このように、
家族の働き方は変わります。

当然、所得も変わります。

ということは、
税金を考える条件も
変わる可能性があります。

だから、

「去年と同じだろう」

と考えないことです。

 

そして50代の方に
特に確認していただきたいのが、
子どもです。

50代になると、
子どもが高校生、大学生という
家庭も多いでしょう。

あるいは、

・大学を卒業して就職する。
・アルバイト収入が増える。
・独立する。

こうした変化が出てきます。

 

扶養控除には
年齢や所得などの条件があります。

 

ですから、

「子どもがいるから
扶養控除」

と単純に考えるのではなく、

「子どもの年齢は?」
「所得は?」
「現在の生活状況は?」

と確認する必要があります。

 

そして、もう一つ。

50代・60代になると
重要性が高くなるのが、
親の存在です。

・80代のお父さん、お母さんがいる。

・年金で生活している。

・そして自分が、
毎月生活費を援助している。

このようなケースです。

 

このとき、

「親と同居していないから、
自分の税金とは関係ない」

と最初から決めつけてしまう方も
いるかもしれません。

 

しかし、税制上の

「生計を一にする」

という考え方は、必ずしも単純に
「同居しているかどうか」だけで
決まるものではありません。

親族関係、所得、
生活費の負担状況など、
条件を確認する必要があります。

 

つまり、

別居しているから対象外

と、自分だけで
決めつけないということです。

 

ここは50代・60代の方には、
ぜひ覚えておいていただきたい
ところです。

 

社会保険控除を確認する

次に確認したいのが、

社会保険料控除

です。

これは非常に重要です。

 

会社員の場合、自分の給与から
健康保険料や厚生年金保険料などが
引かれています。

こうしたものについては、
通常、給与計算や年末調整の中で
処理されます。

しかし、それだけとは限りません。

家族の国民年金保険料を
負担した。

あるいは、

一定の社会保険料を
自分が支払った。

こうした場合、
誰の保険料なのかだけではなく、

「実際に誰が支払ったのか」

という視点も
重要になってきます。

 

特に50代になると、
大学生の子どもの
国民年金保険料を
親が負担するケースも
あります。

20歳になれば
国民年金への加入が関係して
きますから、
大学生のお子さんがいる家庭では、

「子どもの年金保険料を
親が払っている」

ということもありますよね。

こうした支払いについても、
税金との関係を確認します。

 

生命保険料控除・地震保険料控除を確認する

そして次が、

生命保険料控除

です。

会社員の方には
比較的なじみがあると思います。

毎年秋ごろになると、

保険会社から
控除証明書が届きます。

そして年末調整で会社へ提出する。

今では電子データで
手続きする方も増えています。

 

そして、
住宅を持っている方なら、

地震保険料控除

についても
確認しておきたいところです。

 

FP相談でのモデルケース

それでは、ここで
FP相談でのモデルケースを
見てみましょう。

・52歳の会社員
・年収600万円
・妻はパート
・大学生の子どもが一人
・別居の80歳の母親
・生命保険に加入

 

こういう方から、

「何か節税できませんか?」

と相談されたとします。

 

私はいきなり、
「iDeCoを始めましょう」
とは言いません。

まず、
今あるものを確認します。

新しい節税を探す前に、
今ある控除を確認する

ここです。

 

・配偶者の所得状況は
どうなっているのか。

・大学生の子どもの年齢や
所得状況はどうなっているのか。

・国民年金保険料は誰が支払っているのか。
・別居してい母親の生活費の
援助はしているのか。

・お母さん自身の所得は
どのくらいなのか。

・扶養親族に関する条件に
該当する可能性はないのか。

・生命保険料控除は
正しく反映されているか。

・地震保険があるなら
どうなっているか。

こうして、
すでに存在している家計の中から
確認していきます。

 

なぜでしょうか?

理由は簡単です。

新しい節税方法を始めれば、
新しくお金が必要になる場合が
あります。

 

しかし、
すでに支払っているものについて、
本来利用できる控除を
取りこぼしているだけなら、
まずそこを確認する方が
合理的だからです。

 

ですので、
FPとしての優先順位は、

新しくお金を使う節税より先に、
すでに使える控除を
取りこぼさない

ことです。

これは今回のテーマで、
かなり重要な判断基準です。

 

節税というと、

「何を始めよう?」

と考えてしまいます。

 

でも私は、その前に、

何か忘れていないか?

と考えます。

 

FPとして家計を見るとき、
私は税金だけを単独では
見ません。

・家族構成を見る
・収入を見る
・支出を見る
・保険を見る
・住宅ローンを見る
・年金を見る
・税金を見る

なぜなら、

全部つながっている

からです。

 

「子どもが就職しました」

これは家計の話でもあります。

✔ 教育費が終わるかもしれません
✔ 扶養関係も変わる可能性があります
✔ 余裕資金が増えるかもしれません

そうすると、
老後資金への積立を
増やせるかもしれません。

つまり、一つの出来事が、

家計
↓
税金
↓
貯蓄
↓
投資
↓
老後資金

全部に影響してくるんです。

これが、
FPが税金を見るときの
考え方です。

 

控除の適用条件を確認する

そしてもう一つ、
大切なことをお伝えして
おきます。

控除にはそれぞれ、
細かな適用条件があります。

 

「配偶者がいるから
配偶者控除」「親に仕送りしているから
扶養控除」「保険料を払ったから
全部控除」

という単純なものでは
ありません。

・本人や家族の所得
・年齢
・誰が支払ったのか
・家族との生活関係
・その他の要件

こうした条件によって変わります。

ですので、この記事を読んで、

「自分も該当するかもしれない」

と思ったら、そこで決めつけずに、
最新の条件を確認します。

分からなければ、
税務署や税理士など
税務の専門家に確認します。

これが大切です。

 

知らないと損する節税②「医療費控除」

では次に、50代・60代の方には
特に知っておいていただきたい、

医療費控除

について見ていきましょう。

医療費控除という言葉自体は、
聞いたことがある方も多いと
思います。

そして、このように
覚えていないでしょうか。

医療費が年間10万円を超えたら
確定申告できる制度

もちろん、
完全な間違いではありません。

 

しかし、これだけで覚えてしまうと、
医療費控除を取りこぼす
可能性があります。

なぜなら医療費控除は、
単純に、

「自分の病院代が
10万円を超えたかどうか」

だけを見る制度では
ないからです。

 

医療費控除は、
その年の1月1日から12月31日までに、
自分自身だけではなく、

「自己と生計を一にする
配偶者やその他の親族」

のために支払った
一定の医療費も対象になり得ます。

 

夫が会社員。
妻がパート。
子どもが大学生。

こういう家庭だったとします。

夫の医療費が年間4万円。
妻が年間3万円。
子どもが年間5万円。

それぞれだけを見ると、

「10万円を超えていないから
関係ないな」

と思うかもしれません。

 

しかし、条件を満たす
家族の医療費を
夫が支払っていたとすれば、
家族分を含めて考えられる
可能性があります。

つまり、

「自分はいくら使った?」

だけではなく、

「家族全体では
いくら医療費を支払った?」

という視点を持つことが
大切なんです。

 

医療費控除の注意すべきポイント

そして、ここで一つ注意です。

今、「家族分をまとめる」
と言いました。

だからといって、
家族なら誰でも無条件で合算できる
という意味ではありません。

税制上の「生計を一にする」
という条件があります。

 

ですから、

・誰の医療費なのか
・誰が支払ったのか
・生活関係はどうなっているのか

こうした条件を
確認する必要があります。

 

しかし逆に言えば、

「自分の医療費だけでは
10万円にならないから
関係ない」

と最初から諦めないことです。

 

そして、もう一つ
非常によくある誤解が
あります。

それが、

10万円を超えなければ
医療費控除は使えない

というものです。

実はこれも、すべての人に
当てはまるわけでは
ありません。

 

通常の医療費控除は、
原則として、

実際に支払った対象医療費から、
保険金などで補てんされた
金額を差し引き、
さらに10万円を差し引いて
控除額を計算します。

ただし、
その年の総所得金額等が
200万円未満の場合は、

10万円ではなく、
総所得金額等の5%

が基準になります。

 

総所得金額等が
150万円だったとします。

150万円の5%なら、
7万5,000円です。

つまり、

「10万円を
超えていないから
絶対に対象外」

とは限らないわけです。

 

ここは特に、退職後の方や
年金生活に入った方などには、
確認していただきたい
ポイントです。

 

では、そもそも何が
「医療費」に入るのでしょうか。

ここも意外と誤解されています。

多くの方は、

「病院の窓口で払ったお金」

だけを
イメージすると思います。

しかし、
対象になり得るものは、
それだけではありません。

 

もちろん、
医師や歯科医師による診療や
治療の対価は、
代表的な対象です。

さらに、治療や療養に必要な
医薬品の購入費

も対象になり得ます。

風邪をひいて、
治療のために風邪薬を
購入した費用は対象に
なり得ます。

一方で、
健康維持のために購入した
ビタミン剤など、
病気の予防や健康増進を
目的としたものは、
通常の医療費控除の対象には
なりません。

つまり、
同じ「薬局で買ったもの」でも、
全部同じではないんですね。

「何を買ったか?」ではなく、

「何のために支払ったか?」

が重要になります。

 

そして、
意外と知られていないのが、
通院にかかった交通費です。

病院で診療を受けるために、
電車やバスを利用した場合など、
通常必要な通院費は、
医療費控除の対象になり得ます。

 

「病院に払った
お金ではないから関係ない」

と思ってしまうと、
見落とす可能性があります。

 

ただし、ここも何でも
対象になるわけでは
ありません。

自家用車で病院へ行った場合の
ガソリン代と駐車場代。

これは原則として対象になりません。

また、タクシー代についても、
公共交通機関が
利用できない場合などを除き、
原則として対象には含まれません。

ですから、

通院交通費なら
全部対象ではない

という点にも
注意してください。

 

介護の自己負担額も医療費控除の対象になり得る

そして50代・60代以降になると、
関係してくるのが介護です。

親の介護、あるいは
自分自身や配偶者の介護です。

国税庁では、介護保険制度のもとで
提供される一定の施設サービスや
居宅サービスの自己負担額についても、
医療費控除の対象となるものを
定めています。

ここは、このブログを
ご覧になっている年代には
非常に重要です。

 

・50代の会社員。
・80代のお母さんがいる。
・介護サービスを利用している。
・自分がその費用の一部を
負担している。

この場合、

「介護費用だから
医療費控除とは関係ない」

と最初から決めつけては
いけません。

医療費控除の
対象になる部分がないか
確認することが大切です。

 

もちろん、介護サービスなら
全部対象というわけでは
ありません。

サービスの種類や
組み合わせなどによって
扱いが異なります。

ですから、
ここも個別に確認する必要が
あります。

 

さらに、
入院した場合にも注意点があります。

入院中の食事代ですが、
一定の通常必要なものについては、
医療費控除の対象になり得ます。

 

一方で、入院するために
パジャマや洗面用品を購入した場合、
これは通常、対象にはなりません。

本人や家族の都合だけで
個室を希望して支払った
差額ベッド代も、
原則として医療費控除の
対象にはなりません。

つまり、

入院中に払ったお金
=全部医療費控除ではない

ということです。

 

そして、
医療費控除でもう一つ、
非常に大切なのが、
保険金との関係です。

入院して
30万円の医療費を支払ったが、
加入していた医療保険から、
入院給付金を受け取った。

あるいは、
健康保険から高額療養費が
支給された。

この場合、

「30万円全部を
医療費として計算すればいい」

とは限りません。

医療費控除の計算では、
生命保険の入院給付金や
高額療養費など、
医療費を補てんする一定の金額を
差し引いて計算します。

 

医療費30万円で、
その医療費について、
保険などから
10万円補てんされた場合です。

単純化すれば、
まず30万円から10万円を
差し引きます。

そこから、
その人に適用される基準額を
差し引いて、
医療費控除額を計算していきます。

 

つまり、

病院で払った金額

だけを見るのではなく、

最終的に

自分が負担した金額を見る

という考え方です。

 

ここはFP的にも非常に重要です。

なぜなら、医療費というのは、
税金だけではなく、

・健康保険
・高額療養費、
・民間医療保険
・貯蓄

全部が関係してくるからです。

 

セルフメディケーション税制とは

そして次に、医療費控除と
セットで知っていただきたい
制度があります。

それが、

セルフメディケーション税制

です。

名前は聞いたことがあっても、
「よく分からない」

という方も多いと思います。

セルフメディケーション税制は、

健康の保持増進や
疾病予防のための
一定の取組を行っている人が、

自分や生計を一にする配偶者
その他の親族のために、
対象となる特定一般用医薬品等を
購入した場合に利用できる、
医療費控除の特例です。

 

2026年4月1日現在の
国税庁情報では、

対象となる購入費から
1万2,000円を
差し引いた金額が控除対象

となり、

控除額の上限は8万8,000円

です。

 

「病院にはそれほど
行かなかったけれど、
市販薬はかなり買った」

という家庭。

こういう場合には、
セルフメディケーション税制を
確認する価値があります。

対象商品については、
購入時のレシートなどに
対象商品である旨が
表示されます。

 

ただし、
ここで非常に重要なルールが
あります。

通常の医療費控除と
セルフメディケーション税制は
両方同時には使えません。

選択制ですので、
ここは覚えておいてください。

 

医療費控除は【確定申告】が必要

そして、ここで大切なことがあります。

医療費控除は、
会社員でも原則として自分で
確定申告して利用する制度です。

年末調整だけで
医療費控除まで処理してもらえる
わけではありません。

 

医療費控除を受ける場合は、

「医療費控除の明細書」を
確定申告書に添付する

など、必要な手続きがあります。

 

また、領収書については
原則として一定期間の保存が必要です。

国税庁は、明細書を提出する場合、
領収書を

確定申告期限等から
5年間保存する

よう案内しています。

 

現在は
マイナポータル連携を利用して
医療費情報を取得し、
確定申告に利用する方法も
あります。

 

ですから、

「年末調整したから
税金の手続きは全部終わった」

と思っている会社員の方ほど、
医療費が多かった年は、
一度確認してください。

 

それでは、
FPとして医療費控除を
確認するときの順番を
整理しましょう。

① 自分の医療費
② 配偶者・家族の医療費
③ 治療目的の医薬品
④ 対象になる通院費
⑤ 介護関係の対象費用
⑥ 保険金・高額療養費などの補てん
⑦ 通常の医療費控除の対象になるか
⑧ セルフメディケーション税制と
どちらを選ぶか

 

こうして初めて、

「医療費控除を使えるか」

を判断します。

 

医療費控除の誤解

そしてもう一つ。

医療費控除で、5万円の
「所得控除」ができたとしても、
税金がそのまま5万円
戻ってくるわけではありません。

医療費控除も所得控除です。

実際の税負担への影響は、
その人の所得や税率などによって
変わります。

 

ですから、

医療費控除5万円
=5万円戻ってくる

ではないので、
ここは勘違いしないように
してください。

 

知らないと損する節税③「ふるさと納税」

 

それでは次に、
利用している方も非常に多い、

「ふるさと納税」

について見ていきましょう。

 

ふるさと納税については、
もう説明する必要がないくらい
有名ですよね。

「返礼品がもらえる」
「実質2,000円の負担で利用できる」
「やらないと損」

こんな言葉を一度は
聞いたことがあると思います。

実際、毎年利用している
という方も多いでしょう。

 

しかしここで、一つ質問です。

ふるさと納税は、
本当に「節税」なのでしょうか?

 

「だって税金が
安くなるんでしょう?」

「だから節税なんじゃないの?」

と思いますよね。

ここを最初に整理しておきましょう。

 

ふるさと納税という名前ですが、
制度上は、

自分が選んだ
自治体に対する「寄附」

です。

そして

一定の条件、一定の上限の
範囲内であれば、
寄附した金額のうち、
2,000円を超える部分について、
所得税と個人住民税から
控除を受けられる

という仕組みです。

つまり、単純に
税金が魔法のように消えて、
その分だけ自分のお金が
増える制度ではありません。

 

分かりやすくするために、
ある人が5万円を
ふるさと納税したとします。

そして、その5万円が
控除上限の範囲内だったと
しましょう。

一定の要件を満たせば、
5万円から2,000円を
除いた部分について、
所得税と住民税の控除に
つながります。

 

ただし、最初に5万円を
自治体へ寄附しています。

ですからFPとしては、

5万円寄附して、
4万8,000円得した

とは考えません。

ここは重要です。

 

ふるさと納税の魅力は、
一定の上限内で
寄附金控除を受けながら、
寄附した自治体から返礼品を
受け取れる場合があること。

そして、

自分が応援したい
自治体を選んで寄附できる
ことです。

 

ですから、

「税金そのものを
単純に減らす節税」

というより、

本来負担する税金との関係で、
寄附先を選びながら
制度上の控除を受ける仕組み

と理解した方が
実態に近いでしょう。

 

【ふるさと納税】で多い誤解

そして、ふるさと納税で
もう一つ非常に多い誤解が
あります。

 

それが、

たくさん寄附すれば、
たくさん得する

という考え方です。

これは危険です。

 

ふるさと納税には、
控除できる金額に上限が
あります。

この上限は、

「全員5万円」
「全員10万円」

と決まっているわけではありません。

所得や家族構成、
ほかの控除などによって
変わります。

国税庁の説明でも、
住民税の特例分については
所得割額の20%という限度が
設けられるなど、
控除額には上限があります。

つまり、

私の上限はいくらなのか?

ここを確認することが
非常に重要なんです。

 

Aさんの控除上限の目安が、
仮に5万円だったとしましょう。

そこで、

「返礼品がお得だから」
「もっと欲しいから」

と10万円寄附したとします。

当然、上限を超えた部分まで、
すべて2,000円の自己負担で
済むわけではありません。

上限を超えて
寄附した部分については、
想定していた控除を受けられず、
自己負担が増える可能性があります。

つまり、ふるさと納税は、

寄附額より先に上限を確認する

これが基本です。

 

ワンストプ特例制度とは?

そしてもう一つ、
ふるさと納税で非常に重要なのが、

「ワンストップ特例制度」

です。

会社員の方で、

「ふるさと納税は
しているけれど、
確定申告はしていません」

という方。

おそらく、ワンストップ特例を
利用している方も多いでしょう。

 

ワンストップ特例は、
原則として確定申告が不要な
給与所得者などが、
ふるさと納税先を5団体以内にして、
必要な申請を行うなどの
条件を満たすことで、
確定申告をしなくても
控除を受けられる仕組みです。

 

便利ですよね。

会社員にとって、
確定申告をしなくていい
というのは大きなメリットです。

しかしここに、
非常に重要な落とし穴が
あります。

 

先ほど、医療費控除について
お話ししました。

今年は家族の医療費が
かなり多かったので、

「今年は医療費控除を使おう」

と確定申告をすることになった。

 

しかしふるさと納税については、
すでにワンストップ特例の
申請を済ませている場合、
どうなるでしょうか?

医療費控除だけ
確定申告すればいい?

違います。

 

確定申告をすると、
ワンストップ特例の申請は無効

になります。

 

ですので、
医療費控除などのために
確定申告をする場合には、
ワンストップ特例を申請していた
ふるさと納税分も含めて、
寄附金控除として確定申告する
必要があります。

国税庁も、ワンストップ特例を
申請した人が確定申告をする際に、
ふるさと納税の寄附金控除を
申告し忘れる誤りが多いと
注意喚起しています。

 

これは、
医療費控除だけでは
ありません。

何らかの理由で
確定申告をすることになれば、
ワンストップ特例との関係を
確認する必要があります。

税金というのは、
一つの制度だけ見ては
いけないんです。

医療費控除
↓
確定申告
↓
ワンストップ特例が無効
↓
ふるさと納税も申告

こうやって、
制度と制度がつながっている。

ここが重要なんです。

 

ふるさと納税を正しく効果的に利用する

前にもお話ししましたが、
重要なことですので、
ここでもお話ししておきます。

制度が「使える」と
「使うべき」は別

です。

制度上利用できる。
控除上限もある。

だから、上限いっぱいまで
必ず利用しなければ損。

私はそこまで
単純には考えません。

 

なぜなら、

ふるさと納税をするときには、
先にお金が出ていく

からです。

 

年末になって、

「まだふるさと納税の枠が
5万円残っています!」

となったとします。

しかし、

・12月は家計の支出が多い
・住宅ローンもある
・年末年始のお金も必要
・来年は子どもの入学金が必要
・手元の貯金も少ない

それでも、

「枠を使わないと
もったいない!」

と5万円寄附するべき
でしょうか?

 

今の5万円の現金と、
ふるさと納税のメリット。

どちらを優先するべきなのか。

家計によっては、
無理に上限まで利用しなくても
いいのです。

 

節税できる=必ずやるべき

ではありません。

ふるさと納税は、
家計に余裕がある中で、
制度を正しく理解して
利用するのが基本です。

 

また、

「返礼品が欲しいから」

という理由で、
本来必要のないものを
選んでしまうこともあります。

返礼品を見るうちに、

「これも欲しい」
「あれも欲しい」

となって、
寄附額を増やしてしまう。

これでは、家計管理という
視点からは本末転倒です。

 

普段必ず買うお米、
日用品、生活必需品。

こうしたものを
返礼品として受け取ることで、
普段の家計支出を
抑えられるのであれば、
家計改善という意味では
分かりやすいですよね。

もちろん
旅行や特産品を
楽しむために利用するのも、
本人が納得しているなら
一つの使い方です。

 

重要なのは、

返礼品の金額ではなく、
自分にとっての価値を見る

ということです。

 

そしてさらに、
50代・60代の方に
お伝えしたいのが、

定年前後は上限を毎年確認する

ということです。

58歳、59歳あたりま、では
給与が安定しています。

しかし、60歳で定年を迎えると

・再雇用で収入が変わる
・65歳から年金が始まる
・働きながら年金を受け取る

こうなってくると、
税金の構造そのものが
変わってきます。

 

年金生活になったら、

「ふるさと納税はもうできない」

というわけでもありません。

 

大切なのは、
年金を含めた所得や税額など、
その人の状況によって
控除できる範囲が変わると
いうことです。

「いくら得するか」より、
「正しく使えているか」

これが重要です。

 

知らないと損する節税④「iDeCo」

それでは次に、
節税を考えるときに、
非常によく名前が出てくる
制度である

iDeCo

について見ていきましょう。

 

iDeCoについては、
このブログでも
以前取り上げています。

また、
すでに利用している方も
多いと思います。

 

eCoについて調べると、
よくこんな言葉が出てきます。

「iDeCoは節税効果が大きい」

「会社員こそ
iDeCoをやった方がいい」

「所得税と住民税が安くなる」

 

確かに、iDeCoには
大きな税制上のメリットが
あります。

 

しかし、ここでFPとして、
最初に一つ質問します。

「税金が安くなるなら、
iDeCoはできるだけ多く
やった方が得なのでしょうか?」

答えは、YESでもNOでも
ありません。

必ずしもそうとは限らない

というのが正解です。

 

まず、iDeCoとは何なのかを、
簡単にまとめておきます。

iDeCoは、

個人型確定拠出年金

です。

自分で掛金を拠出して、
自分で運用商品を選び、
老後のための資産を
準備していく制度です。

つまり、普通の預貯金とは
違います。

NISAとも違います。

基本的には、

老後資金を作るための
年金制度

なんです。

 

iDeCoの節税効果の仕組み

そして、
iDeCoが節税で注目される
大きな理由の一つが、
この記事のポイントである

掛金の所得控除

です。

iDeCoで自分が拠出した掛金は、
全額が

「小規模企業共済等掛金控除」

の対象になります。

 

つまり、
掛金分が所得控除になることで、
所得税や住民税の負担を
軽くできる可能性があるわけです。

厚生労働省も、
2026年12月の制度改正後も
この掛金の所得控除メリットが
継続すると案内しています。

 

分かりやすくするために、
毎月2万円を
iDeCoに拠出するとしましょう。

年間では、24万円です。

この24万円が、
所得控除の対象になります。

 

ただし、

24万円の所得控除
=税金が24万円安くなる

ではありません。

ここは非常に重要です。

実際に税負担がどのくらい
軽くなるかは、
その人の所得や税率など
によって違います。

 

さらにiDeCoには
掛金を拠出するときだけではなく、

運用中にも税制上のメリット

があります。

通常、
投資によって利益が出れば、
原則として利益に対して
税金がかかってきます。

 

しかしiDeCoでは、
制度内で生じた運用益は
非課税で再投資されます。

そして、将来iDeCoのお金を
受け取るときにも、
受け取り方に応じて、

公的年金等控除や退職所得控除

が関係する場合があります。

 

つまり、iDeCoには大きく、

① 掛金を出すとき
② 運用しているとき
③ 受け取るとき

それぞれに
税制上の仕組みがあるわけです。

 

これが、
iDeCoが「節税制度」として
注目される大きな理由です。

 

iDeCoとNISAの違い

そして、
ここでよく聞かれるのが、

「iDeCoとNISA、
どちらを優先すれば
いいですか?」

という質問です。

これは非常に多いです。

しかし実際には、

「iDeCoです」とも、
「NISAです」とも言えません。

なぜなら、
この二つは性格が違うからです。

 

iDeCoには、
掛金の所得控除という、
非常に大きなメリットがあります。

しかしその反面、
老後資金として利用する制度なので、
資金の自由度には制約があります。

 

NISAには、
iDeCoの掛金のような
所得控除はありません。

しかし、必要になれば売却して
資金化することができます。

 

つまり、非常に単純化すると、

iDeCo
→ 税制メリットが強い
→ 老後資金向き
→ 資金拘束がある

NISA
→ 掛金の所得控除はない
→ 資金の自由度が高い

という違いがあります。

 

 

そして、もう一つ重要なのが、
所得税・住民税の負担状況です。

iDeCoの掛金が
所得控除になるからといって、
全員が同じ節税メリットを
受けるわけではありません。

所得や税率などによって、
実際に軽減される税負担は
違います。

 

ですから、

「iDeCoはいくら節税できる?」

ではなく、

「私の場合はいくら?」

と考える必要があります。

 

特に、専業主婦・専業主夫など、
本人に課税所得がないケース。

こうした場合、
掛金を払った本人について、
所得控除による所得税・住民税の
軽減メリットを十分に
受けられないことがあります。

もちろん、
それだけでiDeCoに
意味がないということでは
ありません。

老後資金を準備するという
本来の目的がありますし、
運用中の税制上のメリットなども
あります。

 

しかし、

iDeCo=誰でも同じ節税効果

ではありません。

ここは覚えておいてください。

 

iDeCoを受け取る時の税金

そして50代の方には、
もう一つ非常に重要なポイントが
あります。

それが、
受け取るときの税金です。

 

iDeCoは、
掛金を出すときの節税ばかり
注目されます。

しかし、
FPとしては出口も見ます。

入口だけではなく、
出口を見る

のです。

 

iDeCoの老齢給付金は、
受け取り方によって
税制上の扱いが変わります。

一時金として受け取る場合には、
退職所得控除が関係します。

年金として受け取る場合には、
公的年金等控除が関係します。

 

ここで50代会社員の方に、
特に注意していただきたいのが、
会社から受け取る退職金との
関係です。

60歳や65歳で会社の
退職金を受け取る。

さらに、
iDeCoも一時金で受け取る。

こういうケースです。

この場合、

「iDeCoは
退職所得控除があるから
税金ゼロでしょう」

と単純に考えてはいけません。

 

会社の退職金とiDeCo一時金の
受取時期などによって、
退職所得控除の計算関係が
変わる場合があります。

つまり、iDeCoは

始めるときだけではなく、
受け取り方まで考える

必要があるんです。

ここは特に、
50代からiDeCoを始める方に
重要です。

20代なら、
受け取りはかなり先です。

しかし55歳なら、
出口がそれほど遠くありません。

 

ですので、

「今年いくら節税できる?」

だけではなく、

「将来どう受け取る?」

まで考えるのが、FPの判断です。

 

2026年12月のiDeCoの制度改正

そして今、
iDeCoを考えるうえで、
もう一つ非常に重要なことが
あります。

制度改正です。

2026年12月1日から、
iDeCoは大きく変わる予定です。

厚生労働省によると、
iDeCoの加入可能年齢が拡大され、
一定の要件を満たす人について、

70歳未満まで老後の資産形成を
継続できる仕組み

になります。

さらに、
拠出限度額も引き上げられます。

 

企業年金のない会社員の場合、
現在のiDeCoの拠出限度額は、
月額2万3,000円です。

ところが2026年12月からは、
会社員など第2号加入者について、
企業年金等と合わせた
共通の拠出限度額が、

月額6万2,000円

に引き上げられます。

 

企業年金のない会社員なら、

iDeCoで月額6万2,000円まで
拠出できる仕組み

になります。

 

これはかなり大きな改正です。

50代の方からすると、

「それなら12月から掛金を
一気に増やそう」

と思うかもしれません。

 

しかし、

限度額が増えた
=限度額までやるべき

ではありません。

月2万3,000円から、
月6万2,000円まで
できるようになった。

だからといって、

6万2,000円入れなければ損

という話ではありません。

年間なら、
家計から出ていく金額も
かなり大きくなります。

そのお金を、

・老後まで使わなくて大丈夫なのか。
・生活防衛資金は?
・住宅ローンは?
・教育費は?
・NISAは?
・60歳以降の収入は?

ここを確認します。

 

制度が拡大すればするほど、

「いくら入れられるか」

ではなく、

「いくら入れても大丈夫か」

という判断が重要になります。

 

これは、2026年12月以降の
iDeCoを考えるうえで、
私は非常に重要なポイントに
なると思います。

厚生労働省も、
今回の改正で加入可能年齢と
拠出限度額が広がることを
案内しています。

だからこそ利用者側には、
より大きな選択肢が
与えられることになります。

 

しかし、

選択肢が増えることと、
最大限使うことは別

です。

 

iDeCoの本来の目的は「老後資金の準備」です

iDeCoについてFPとして、
もう一つお伝えしたいことが
あります。

iDeCoは、
単なる節税商品ではありません。

本来の目的は、

老後のために
自分で資産を作ること

です。

ここを忘れないでください。

 

「今年の税金が3万円安くなる」

それは嬉しい。

しかし、もっと大切なのは、

その制度を
20年、30年使った結果、
老後の生活がどう変わるのか

です。

 

だから、

✔ 税金だけでiDeCoを選ばない
✔ 運用商品だけでも選ばない
✔ 掛金の上限だけでも選ばない

FPとして見るのは、

・節税
・手元資金
・家計
・投資
・退職金
・年金
・老後生活

全部です。

 

これが、
iDeCoを「節税」だけで
終わらせない考え方です。

 

FPがiDeCoを判断する流れ

では最後に、
FPがiDeCoを判断するときの
順番を整理しましょう。

① 生活防衛資金はある?
② 数年以内に使うお金は確保した?
③ 老後まで使わないお金はいくら?
④ 所得控除のメリットはどのくらい?
⑤ NISAとのバランスは?
⑥ 何歳まで働く?
⑦ 退職金はいくら?
⑧ 将来どう受け取る?
⑨この掛金を無理なく続けられる?

 

この流れで確認します。

 

長期投資の動画でも
お話ししましたが、
長期投資で大切なのは、
一番儲かりそうな商品を
選ぶことではありません。

続けられる仕組みを作ること

これはiDeCoでも同じです。

節税効果が大きいからといって、
無理な掛金にしてはいけません。

家計が苦しくなって、
毎月の生活に余裕がなくなれば、
本末転倒です。

 

iDeCoについてのFP判断を、
一言でまとめるなら、

節税できる金額ではなく、
老後まで無理なく
続けられる金額

ということになります。

 

知らないと損する節税⑤「住宅・家族・働き方」

 

ここまで、

・所得控除
・医療費控除
・ふるさと納税
・iDeCo

と、代表的な節税制度を
見てきました。

 

ここから少し視点を変えます。

実は税金というのは、

「どの節税制度を使うか」

だけで決まるわけではありません。

もっと大きく
影響するものがあります。

それが、

人生の変化

です。

・結婚した
・配偶者が仕事を始めた
・子どもが大学生になった
・子どもが就職した
・親を経済的に支えるようになった
・住宅を購入した
・住宅ローンを組んだ
・会社を退職した
・再雇用になった

 

こうしたことは、一見すると、

「税金とは関係のない
人生の出来事」

のように見えます。

しかし実際には、
税金と深く関係するものが
少なくありません。

 

住宅ローンと税金

住宅から見てみましょう。

住宅を購入するとき、
多くの方が住宅ローンを
利用します。

そこで関係してくる
代表的な制度が、

住宅ローン控除

正式には

住宅借入金等特別控除

です。

一定の要件を満たして
住宅ローンを利用してマイホームを
取得するなどした場合、
年末の住宅ローン残高等を基に
計算した金額を、
所得税額から控除できる制度です。

 

ここで重要な内容です。

住宅ローン控除は、
所得控除ではありません。

税額控除

です。

つまり、課税される所得を
減らすのではなく、
計算された所得税額から
一定額を控除する仕組みです。

・所得控除
→ 税金を計算する前の所得から控除
・税額控除
→ 計算した税額から控除

この違いです。

 

ただし、ここで注意して
いただきたいことが
あります。

住宅ローンがあれば、
誰でも同じ金額を
控除できるわけではありません。

・住宅の種類
・入居した年
・住宅の性能
・床面積
・所得
・借入期間

こうした条件によって
変わります。

 

ですので、

住宅ローンがある
=住宅ローン控除が使える

と単純に考えないことです。

 

そして会社員の方には、
もう一つ重要なポイントが
あります。

住宅ローン控除を
初めて受ける年は、

原則として確定申告が必要

です。

給与所得者の場合、
2年目以降は一定の手続きをすれば
年末調整で適用を受けられます。

 

つまり、

「会社員だから全部年末調整」

ではありません。

 

そして、住宅ローン控除があると、
こんなことを考える方がいます。

「住宅ローン控除がある間は、
繰上返済しない方が
絶対に得ですよね?」

これも、
税金だけでは判断できません。

 

・住宅ローン残高
・金利
・控除を実際にどのくらい使えているか
・手元資金
・今後の教育費
・老後資金
・退職までの年数

こうした条件によって
判断は変わります。

さらに、繰上返済によって
償還期間が10年未満になると、
その年以後、
住宅ローン控除の対象となる
借入金に該当しなくなるケースも
あります。

 

ですので、

住宅ローン控除がいくら減る?

だけではなく、

家計全体でいくら得する?

と考えます。

税金を少し多く
払うことになっても、
高い金利負担を大きく減らせるなら、
繰上返済が合理的な場合もあります。

逆に、住宅ローン金利が低く、
手元資金が十分でないなら、
無理な繰上返済をしない方が
いい場合もある。

 

つまり、住宅ローン控除のために
住宅ローンを残すのではなく、

家計全体で
住宅ローンをどうするか考える

ということです。

 

家族と税金

ここは、
50代の方に非常に重要です。

なぜなら50代というのは、
家族構成そのものは
変わらなくても、

家族のお金の状況が
大きく変わる年代

だからです。

 

・妻がパートで働いている
・子どもが大学生
・親は80代

こういう家庭を考えてみましょう。

 

この一年で、

「妻の収入が増えた」

「大学生の子どもの
アルバイト収入が増えた」

「親への仕送りを始めた」

これだけでも、
税金を確認するポイントが
複数出てきます。

 

まず、配偶者に関しては、

配偶者控除や配偶者特別控除

があります。

ただし、
ここで注意してください。

昔からよく、

「103万円の壁」

という言葉が使われてきました。

しかし、税制は変わっています。

2026年分の所得税では、
配偶者控除・配偶者特別控除の
所得要件などにも改正が
反映されます。

例えば配偶者控除については、
2026年分から配偶者の
合計所得金額62万円以下などの
要件となり、
給与収入のみの場合の目安も
従来とは変わっています。

 

ですから、昔覚えた

「○○万円の壁」を
そのまま使わない

これが非常に重要です。

 

しかも、
「壁」という言葉には、
所得税だけではなく、
住民税や社会保険など、
性質の違う話が混ざって
語られることがあります。

ここを全部一緒にして、

「1円超えたら大損する」

と考えるのは危険です。

 

ファイナンシャルプランナー
としては、

・税金はいくら変わる?
・社会保険はどうなる?
・手取りはいくら変わる?
・将来の年金は?
・働く時間は?

ここまで見ます。

 

妻が、

「税金が増えるから
勤務時間を減らそうと思います」

と言ったとします。

ここで、税金だけを見て、

「それがいいですね」

とは言えません。

仮に税負担や社会保険料が
増えたとしても、
収入そのものがそれ以上に増えて、
将来の年金にもつながるのであれば、
世帯全体ではプラスになる
可能性があります。

 

ですので、

税金を払わない働き方

ではなく、

世帯の手取りがどう変わるか

を見ます。

これがFP判断です。

 

そして次が、
大学生の子どもです。

ここは2026年時点で、
ぜひ知っておきたいところです。

これまで、
大学生年代の子どもについて、

「アルバイトをしすぎると
扶養から外れる」

という話を
聞いたことがあると思います。

 

もちろん、
扶養関係には所得要件が
あります。

ただし制度改正により、
19歳以上23歳未満の親族については、

特定親族特別控除

という仕組みがあります。

一定の所得範囲であれば、
親側の所得控除がいきなり
ゼロになるのではなく、

親族の所得に応じて
段階的に
控除を受けられる仕組み

です。

2026年分では最高63万円の
控除となっています。

 

これは、大学生の子どもがいる
50代の家庭には、
かなり関係の深い改正です。

「子どもがアルバイトを増やした」

となったとき、昔の知識だけで、

扶養から外れるから
働かせない方がいい

と判断しないことです。

 

まず、

・今の制度ではどうなっているのか
・子どもの所得はいくらなのか
・親の控除はいくらになるのか
・社会保険上の扱いはどうなのか

そこまで確認します。

 

そして50代・60代になると、
もう一つ家族の問題が
出てきます。

高齢の親です。

・82歳の母親
・年金生活
・一人暮らし
・毎月3万円の仕送り

こういうケースです。

 

「別居しているから
扶養控除は無理ですよね?」

と考える方も
いるかもしれません。

 

しかしすでにお話ししたように、
税制上の扶養は、
単純に同居しているかだけで
決まるわけではありません。

親族関係や所得、
生計を一にしているかなど、
一定の要件を確認する必要が
あります。

また、
70歳以上の扶養親族については、
老人扶養親族として
控除額が異なる仕組みがあります。

2026年分の所得税では、

同居老親等以外の
老人扶養親族は48万円

同居老親等は58万円の
扶養控除

となっています。

 

働き方と税金

次に「働き方」ですが、
50代・60代にとってかなり重要です。

59歳までは正社員。
年収700万円。
60歳で定年。

その後、

再雇用で年収400万円。

さらに65歳から、
給与と年金の両方を受け取る。

 

こうなると、
人生のお金の構造が大きく
変わります。

・収入が変わる
・所得が変わる
・税負担も変わる
・社会保険料も変わる

利用できる控除の効果も
変わる可能性があります。

 

ふるさと納税の上限も、
現役時代と同じとは限りません。

iDeCoの所得控除による効果も、
所得状況によって違ってきます。

ですので、

定年=働き方の見直し

だけではなく、

税金の見直し

でもあるんです。

 

60歳で
収入が大きく下がったのに、
現役時代と同じ感覚で、

・ふるさと納税をする
・iDeCoの節税額を考える
・生命保険料控除を考える

これでは、条件が変わっている
可能性があります。

 

逆に、

・60歳以降も働く
・65歳以降も働く
・年金を受け取りながら給与も得る

こうなると、
次項で詳しくお話しする、

「年金と税金」

が関係してきます。

つまり、

働き方が変わる
↓
収入が変わる
↓
税金が変わる
↓
社会保険が変わる
↓
老後の手取りが変わる

ということです。

 

ここで、実際のFP相談を
イメージしてみましょう。

・58歳会社員
・年収650万円
・妻はパート
・21歳の大学生の子ども
・80歳のお母さんに仕送り
・住宅ローン残高800万円
・2年後の60歳で定年予定

 

この方から、

「何か節税した方が
いいでしょうか?」

と相談されたとします。

皆さんなら、
何を提案するでしょうか?

iDeCoでしょうか。
ふるさと納税でしょうか。
生命保険でしょうか。

私は、いきなり新しい制度を
提案しません。

 

まず、

この2年間で
何が変わりますか?

と考えます。

 

まず妻を考えます。

「パート収入はいくら?」
「来年、働き方を変える予定は?」
「配偶者控除や
配偶者特別控除はどうなる?」

 

次に子どもです。21歳。

「アルバイト収入はいくら?」
「扶養控除または
特定親族特別控除との関係は?」

次にお母さん。

「所得は?」
「生活費を誰が負担している?」
「税制上の扶養親族に
該当する可能性は?」

次に住宅ローン。

「あと何年?」
「住宅ローン控除は?」
「繰上返済する予定は?」

そして本人です。

「60歳で収入はいくらになる?」
「退職金は?」
「65歳まで働く?」
「年金は何歳から受け取る?」

こうして並べると、
分かりますよね。

この人にとって、

「一番お得な節税制度」

だけ探しても意味がないんです。

 

なぜなら、2年後には、
家計の条件そのものが
変わるからです。

 

この年代の節税では、

節税商品を探すより、
人生の予定表を見る

ことの方が重要だと
考えています。

 

今年度だけを
見るのではありません。

今年3万円税金を減らすことも
もちろん大切です。

しかし、60歳以降の家計で、
年間50万円、100万円単位で
お金の流れが変わるなら、
そちらの方が人生への影響は
大きいです。

 

ですので、

今年の節税額より、
これからの手取り

を見るんです。

 

節税は、目的ではありません。

目的は、

家族全体のお金を良くすること

です。

そして、

これからの人生で使えるお金を
できるだけ多く残すこと

です。

 

50代・60代が特に注意したい「年金と税金」

 

さてここまで、

・所得控除
・医療費控除
・ふるさと納税
・iDeCo
・住宅・家族・働き方

さまざまな角度から、
節税について見てきました。

 

そしてここからは、
50代・60代の方に、
特に知っておいていただきたい
テーマです。

 

それが

「年金と税金」

です。

 

皆さんは、
年金について考えるとき、
最初に何を確認するでしょうか?

おそらく、

自分は、年金を月いくら
もらえるのだろう?

ここですよね。

 

月15万円。
月18万円。
月20万円。

あるいは夫婦で月25万円。

確かに、
年金額を確認することは
非常に重要です。

しかし、
老後の生活設計をするとき、
そこでは終わりません。

なぜなら、

年金額
=そのまま生活に使える
金額ではない

からです。

 

公的年金は、原則として税法上、

「雑所得」

として扱われます。

 

ただし、受け取った年金全額に
そのまま所得税が
かかるわけではありません。

公的年金等の収入金額から、
年齢や年金収入などに応じた

「公的年金等控除額」

を差し引いて、

公的年金等に係る雑所得を
計算します。

さらに、基礎控除をはじめ、
その人が利用できる
所得控除などを考慮して、
最終的な税金を計算していきます。

 

ですので、

年金をもらっても、
年金全額に税金ではない

ということです。

 

ただし逆に、

「年金だから税金はかからない」

とも限りません。

ここは非常に重要です。

・年金額
・年齢
・年金以外の所得
・利用できる所得控除

こうした条件によって、
税金の状況は変わります。

 

ですので、

年金生活
=非課税生活ではない

と覚えておいてください。

 

老後生活で本当に重要なのは、

年金の額面

ではなく、

最終的な手取り

なんです。

 

「年金が増えれば、手取りも同じだけ増える」とは限らない

ここで50代・60代の方に、
特に知っておいていただきたい
考え方があります。

 

それが、

年金が増えた金額
=手取りが増える金額とは
限らない

ということです。

 

年金を繰下げ受給すると、
受給開始を遅らせた月数に応じて、
年金額を増やすことができます。

このブログでも、
繰上げ・繰下げについて
詳しくお話ししました。

「70歳まで繰り下げたら
年金が42%増える」

という数字を見ると、
非常に魅力的に感じます。

 

しかし
ファイナンシャルプランナーとしては、
42%増えたところで計算を
終わらせません。

年金収入が増えると、
その人の所得状況も変わる
可能性があります。

・所得税
・住民税
・健康保険料
・介護保険料

こうした負担も含めて、
最終的に手元に残る金額を
見る必要があります。

 

つまり、

年金を増やす
↓
額面が増える
↓
税・社会保険料も確認
↓
手取りはいくら増える?

ここまで見ます。

これが
ファイナンシャルプランナーの
考え方です。

 

ここで、
今回の節税というテーマと、
年金がつながってきます。

節税というと、

税金を1万円、2万円減らす方法

を探しがちです。

 

しかし老後の家計では、

年金をどう受け取るか

という判断の方が、
長い目で見れば
家計に大きな影響を与えることが
あります。

年金の受け取り方そのものも、
老後の手取りという
視点から考える

これが大切です。

 

60代は「給与+年金」に注意

 

そして、もう一つ重要なのが、

働きながら年金を受け取る人

です。

 

現在は、
60歳で完全に仕事を辞める人
ばかりではありません。

60歳で定年

その後、再雇用

65歳以降も働く

70歳近くまで働く

こういう方も増えています。

すると、老後のお金は、
年金だけではなくなります。

給与+年金

という形になります。

 

ここで、

「給与は給与」
「年金は年金」

と別々に考えたくなります。

しかし税金を考えるときには、
それぞれから計算される
所得を含め、
その人の所得全体を見ていく
必要があります。

 

給与には、

給与所得控除

があります。

公的年金には、

公的年金等控除

があります。

 

それぞれ所得を計算したうえで、
ほかの所得も含めて
税金を考えます。

65歳。
会社から給与をもらっている。
老齢厚生年金も受け取っている。

この場合、

給与だけ見て税金を判断しない
年金だけ見て税金を判断しない

ということです。

両方を見る

 

そして、
ここで年金制度としては、

在職老齢年金

も関係する場合があります。

これは税金の制度ではありません。

働きながら老齢厚生年金を
受け取る場合、
賃金と老齢厚生年金の額によって、
年金の一部または全部が
支給停止になることがある
仕組みです。

 

つまり、
65歳以降も働く場合には、

給与+年金+在職老齢年金
+税金+社会保険

まで見る必要があります。

「65歳からも
働いた方がいいですか?」

と聞かれたとします。

私は、税金が増えるか
どうかだけでは判断しません。

・給与はいくら増える?
・年金はいくら受け取れる?
・在職老齢年金の影響は?
・社会保険料は?
・税金は?
・最終的な手取りはいくら?

ここまで確認します。

 

ですので、

税金が増えるから
働かない方が得

という考え方も、
かなり慎重に検討した方が
いいんです。

税金や社会保険料の負担が
増えても、それ以上に
収入が増えるのであれば、
世帯全体の手取りは増える可能性が
あります。

 

ここでも、先にお話しした

「税金を払わない働き方」

ではなく、

「手取りが増える働き方」

を見るという考え方が
重要になります。

 

年金から税金が引かれているから「全部終わっている」とは限らない

そして、
年金を受け取り始めた方から、
こんな話を聞くことがあります。

「年金から
所得税が引かれているから、
税金の手続きは全部
終わっていますよね?」

ここも注意してください。

 

一定額以上の公的年金については、
所得税等が源泉徴収される場合が
あります。

 

しかし、

源泉徴収されている
=最終的な税額が
必ず確定している

とは限りません。

給与でもそうですよね。

毎月所得税が引かれていて、
最後に年末調整があります。

年金についても、
その人の所得や控除などによって、
最終的な税額との精算が
必要になる場合があります。

 

そして公的年金には、
一定の条件を満たす人について、

「確定申告不要制度」

があります。

ただし、
ここで非常に大切なのは、

確定申告しなくてもいい
=申告したら
得にならないではない

ということです。

 

・医療費が多かった
・寄附をした
・本来受けられる控除がある
・源泉徴収された所得税等がある

こうした場合、
所得税の還付を受けるために
確定申告を検討するケースが
あります。

つまり、

「確定申告不要だから
何もしない」

ではなく、

「申告義務があるか」と
「申告した方がいいか」は別

という視点を持つことです。

これは50代のうちから
知っておくと、
かなり役立つ考え方です。

 

会社員時代は、
年末調整に慣れています。

しかし退職すると、
今まで会社が
やってくれていたことを、
自分で確認する場面が
増えてきます。

ですので、

退職したら、
税金も自分で確認する

という意識に少しずつ切り替えていく。

これが大切です。

 

夫婦なら「自分の年金」だけを見ない

そして、
ファイナンシャルプランナーとして
もう一つ重要なのが、

夫婦での老後設計

です。

 

夫の年金が月18万円。
妻の年金が月8万円。
合計26万円。

ここで、

「夫婦で月26万円あれば
生活できるかな」

と考えます。

 

しかし
ファイナンシャルプランナーなら、

・夫の税金
・妻の税金
・健康保険
・介護保険
・その他の収入
・住宅費
・医療費

そして、

どちらか
一人になったときの家計

まで考えます。

なぜなら、
老後は夫婦二人の期間だけでは
ないからです。

夫婦二人のときは、年金26万円。

しかし、
夫が先に亡くなった場合、
その後、

「妻の年金と遺族年金は
どうなるのか。」

「生活費はいくら減るのか。」

「税金や社会保険料は
どう変わるのか。」

「住宅費は?」

こうしたところまで考えます。

 

50代のうちに確認しておきたいこと

 

まだ年金を受け取っていない
50代の方ですが

「年金と税金は
65歳になってから考えればいい」

と思わないでください。

むしろ、受給前の50代から
考えることに意味があります。

私なら、50代のうちに、
次のような流れを作ります。

 

① ねんきん定期便等で、
将来の年金額を確認
② 何歳まで働くか考える
③ 退職金を確認
④ 65歳以降の生活費を試算
⑤ 年金以外の収入を確認
⑥ 税金・社会保険料を考慮
⑦ 手取りベースで老後家計を作る

ここまでできると、
老後のお金はかなり具体的に
なります。

 

「年金月18万円」

という数字だけでは、
安心なのか不安なのか分かりません。

しかし、実際の手取りを想定して、

・生活費が月17万円
・住宅ローンなし
・貯金1,500万円
・65歳以降も少し働く

こうなれば、老後の見え方は
かなり変わります。

 

逆に、年金月20万円でも、

・住宅ローンが残っている
・生活費が月30万円
・貯金が少ない

となれば、家計の見直しが
必要かもしれません。

 

ですので、
年金が多いか少ないかではなく、

家計に対して足りるかどうか

を見るんです。

 

実際のFP相談実況「節税した方がいいですか?」

 

ではここから、
今回の動画でお話ししてきた
内容を使って、
実際のFP相談を実況してみたいと
思います。

 

ここまで、いろいろな節税方法を
見てきました。

・所得控除
・医療費控除
・ふるさと納税
・iDeCo
・住宅ローン控除
・家族に関する控除
・年金と税金

 

ここまで聞くと、
こんなふうに思う方も
いるかもしれません。

「結局、私は何をやれば
一番得なんですか?」

そうですよね。

制度をたくさん知っても、
最終的に知りたいのは、

「自分ならどうすればいいのか?」

です。

 

そこでここでは、
ある相談者を例にして、
私が現役FPとして、
頭の中でどんな順番で考えるのか。

そのまま実況してみます。

 

今回の相談者は、

・55歳の会社員男性
・年収は約600万円
・妻はパート勤務
・大学生の子どもが一人
・住宅ローンあり
・預貯金は500万円
・本人は65歳くらいまで働く予定

 

こんな家庭を想定してみます。

もちろん、
これは説明のための
モデルケースです。

実際の税額や控除の適用は、
所得・家族状況・各制度の
要件などによって異なります。

 

この方が、FP相談に来て、
最初にこう言ったとします。

「最近、節税の動画を
よく見るんです。」

「ふるさと納税も
ありますよね。」

「iDeCoも節税になると
聞きました。」

「生命保険に入ると
控除もありますよね。」

 

そして、こう聞かれました。

「私も何か節税した方が
いいでしょうか?」

皆さんなら、
何と答えるでしょうか。

私はまだ答えません。

なぜなら、この段階では、
判断材料が足りないからです。

 

私が最初に考えるのは、

「何を使えば節税できる?」

ではなく、

「この家計は今、どんな状態?」

です。

ここが、
今回一番伝えたいところです。

 

いきなり「節税額」を計算しない

 

私はまず、
家計全体を確認します。

年収600万円

これは分かりました。

 

しかし、
年収だけでは判断できません。

「毎月の生活費はいくらですか?」
「住宅ローンはいくらですか?」
「子どもの教育費は?」
「預貯金500万円のうち、
今後使う予定のお金はいくらですか?」
「退職金は?」
「妻の収入は?」
「60歳以降の給与は?」
「年金はいくらになりそうですか?」

ここを確認していきます。

 

毎月の手取り収入が、
仮に40万円前後だったと
しましょう。

住宅ローン11万円。
食費7万円。
水道光熱費3万円。
通信費2万円。
保険料3万円。
教育費5万円。
その他の生活費7万円。

こうして見ていくと、
それほど大きな余裕がありません。

さらに、
大学生の子どもの学費が、
あと数年残っています。

住宅ローンも残っています。

そして、貯金は500万円。

ここで私は、
500万円という数字だけを
見ません。

「500万円ある」

ではなく、

「500万円のうち
自由に使えるお金はいくら?」

と考えます。

 

今後の大学費用として150万円。
車の買い替えに100万円。
住宅修繕用に50万円。

さらに、生活防衛資金として
200万円は確保しておきたい。

そうすると、500万円ありますが、

500万円-150万円-100万円
-50万円-200万円=0円

です。

もちろん実際には、
これほどきれいに分けるわけでは
ありません。

しかし、考え方としては
こういうことです。

 

つまり、
通帳には500万円ありますが、
全部が「余裕資金」では
ありません。

ここを間違えてはいけません。

この状態で、

「iDeCoは節税になりますよ」
「毎月できるだけ掛けましょう」

と提案してしまったら、
どうでしょうか。

確かに、
税金は減るかもしれません。

しかし、

・教育費が必要になった
・車が壊れた
・給湯器が壊れた
・病気で収入が減った

そんなとき、
家計が苦しくなるかもしれません。

 

ですので私は、最初に、

節税できるか

ではなく、

節税しても家計は大丈夫か

を見るんです。

 

次に「すでに使える控除」を確認する

家計の安全性を確認したら、
次に何をするか。

ここで初めて、
税金を見ていきます。

 

しかし、
まだ新しい節税制度を探しません。

最初に確認するのは、

今すでに使える控除を
取りこぼしていないか?

です。

この方は、

・55歳
・妻はパート
・大学生の子ども
・住宅ローンあり

この情報だけでも、
確認するポイントがあります。

 

まず、

「妻の所得はいくらなのか。」

「配偶者控除や
配偶者特別控除との関係は?」

 

次に、大学生の子ども。

「年齢は?」

「アルバイト収入は?」

「扶養控除や
特定親族特別控除との関係は?」

「社会保険料は誰が払っている?」

そして、

・生命保険
・地震保険
・住宅ローン控除

こうしたものが、
正しく反映されているかを
確認します。

 

国税庁が示す所得控除にも、

・社会保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・扶養控除
・特定親族特別控除

などがあります。

 

ですから、私はこの方に、

「新しく何か契約しましょう」

ではなく、まず、

「源泉徴収票を見せて下さい」

とお願いします。

そして、

・去年から何が変わったのか
・妻の働き方
・子どもの年齢
・アルバイト収入
・住宅ローン
・保険
・家族の状況

これを確認します。

ここで控除の取りこぼしが
見つかれば、
新しく1円も使わなくても、
税負担を見直せる可能性が
あります。

ですので優先順位としては、
非常に高いんです。

 

新しい節税を探す

より先に、

今ある控除を取りこぼさない

ことです。

 

医療費を確認する

そして、次に確認するものは

医療費

です。

「今年、ご家族の医療費は
多くありませんでしたか?」

すると、相談者が、

「実は妻が今年入院したんです」

と言ったとします。

でも私は、

「10万円超えましたか?」

と聞くだけでは終わりません。

・妻の入院費はいくら?
・本人の医療費は?
・子どもの医療費は?
・治療目的の医薬品は?
・通院にかかった対象交通費は?
・保険会社から給付金は出た?
・高額療養費などの補てんは?
・誰が支払った?

こうやって確認します。

医療費控除は、

自己または生計を一にする配偶者
その他の親族のために、
その年中に支払った
一定の医療費が対象

になります。

 

すると本人は、

「自分の病院代は
3万円くらいだから、
関係ないと思っていました」

と言うかもしれません。

しかし、妻や子どもの
対象医療費も含めて確認したら、
医療費控除を利用できる
可能性が出てきた。

これこそ、

知らないと損する節税

ですよね。

 

新しい商品を買ったわけでは
ありません。

投資をしたわけでもありません。

すでに支払った
必要な医療費について、
使える制度を確認しただけです。

 

ふるさと納税を確認する

次に、
ふるさと納税を確認します。

すると相談者が、

「ふるさと納税は
毎年やっています」

と言いました。

「今年もワンストップ特例を
申し込みました」

 

ここで、一つ確認します。

 

でも今年、医療費控除で
確定申告する可能性がありますよね?

先ほど確認した結果、
医療費控除を使うために、
確定申告をすることになりました。

 

そうしますと、

ふるさと納税の
ワンストップ特例との関係

が出てきます。

確定申告を行う場合、

ワンストップ特例の申請は
無効になる

ため、ワンストップ申請済みの
寄附も含めてふるさと納税を
確定申告に入れる必要があります。

 

制度は、一つずつ
独立しているわけではありません。

妻が入院
↓
医療費が増える
↓
医療費控除を検討
↓
確定申告
↓
ワンストップ特例が無効
↓
ふるさと納税も申告

こうして、
全部つながっているんです。

 

ですので、

「医療費控除はいくら得?」
「ふるさと納税はいくら得?」

と別々に見るだけでは、
本当の家計相談にはなりません。

 

ファイナンシャルプランナーは、

制度と制度のつながりを見る

んです。

 

iDeCoを検討する

 

そして、
相談者が一番聞きたかった
質問に戻ります。

「iDeCoはどうでしょう?」
「節税になるなら始めたいです」

ここでようやく、
iDeCoを検討します。

・収600万円
・55歳
・税負担がある
・老後資金を作りたい

条件だけを見ると、
iDeCoは十分検討に値します。

しかし、
先ほど家計を確認しました。

・貯金500万円
・教育費がまだ必要
・車の買い替え予定あり
・住宅修繕もある
・生活防衛資金も必要

 

この状況では、私は、

節税できるから
最大限iDeCo

とは考えません。

 

まず、
今後数年間の支出を確認する。

そのうえで、

「これは老後まで
使わなくても大丈夫」

という余裕資金が、
毎月いくらあるのか。

 

毎月5万円余るように見えても、
そのうち3万円は、
数年後の教育費や住宅費に
必要かもしれません。

だったら、
老後資金に回せるのは、
2万円かもしれない。

あるいは、今はiDeCoを急がず、
教育費が終わってから
掛金を増やすという判断も
あります。

 

ここで重要なのは、

iDeCoをやるかやらないか

ではなく、

いつ、いくらやるか

です。

 

制度には、0か100かしか
ないわけではありません。

・今は少額
・教育費終了後に増額
・NISAとのバランスを取る
・現金を厚めに残す

こういう選択肢があります。

 

生命保険で節税する?

 

さらに相談者が言います。

「生命保険料控除もありますよね?」

「節税になるなら、
保険を増やした方がいいですか?」

ここでは、
答えはかなり明確です。

私は、控除のためだけに
保険を増やすこと
おすすめしません。

まず確認するのは、

保障が必要かどうか

です。

 

もし本人に万一のことがあった場合、
家族にどのくらいお金が必要なのか。

・遺族年金
・住宅ローンの団体信用生命保険
・預貯金
・妻の収入
・子どもの教育費

こうしたものを確認して、
保障不足があれば、
保険を検討します。

そして、加入した保険について、
生命保険料控除が使えるなら
利用します。

 

順番は、

必要な保障
↓
必要な保険
↓
使える控除

です。

決して、

節税したいから、保険に入る

ではありません。

 

ここでも、節税を目的にすると、
判断の順番が逆になります。

 

55歳から65歳の家計の大きな変化を考える

ここまでで、
かなり整理できました。

ここでもう一つ確認します。

 

この相談者は、現在55歳です。

つまり、あと5年で60歳。

そして、
65歳くらいまで働く予定。

ここで、
今の税金だけを見るのではなく、

60歳以降の家計

を見ます。

・会社の定年は何歳?
・60歳以降の給与はいくら?
・退職金はいくら?
・住宅ローンはいつ終わる?
・子どもの教育費はいつ終わる?
・年金はいくら?
・年金は65歳から受け取る?
・繰下げる?
・妻の年金は?

ここまで確認します。

 

なぜなら、
55歳から65歳というのは、
家計が大きく変わる10年間
だからです。

今は教育費が年間100万円。

でも、
3年後に子どもが独立すれば、
その支出が大きく減ります。

一方、60歳で再雇用になって、
年収600万円から400万円に
なるかもしれません。

住宅ローンは、
63歳で終わるかもしれません。

65歳から年金が始まる。

 

つまり、

・55歳は教育費あり
・60歳で収入減少
・63歳で住宅ローン終了
・65歳で年金開始

こんなふうに、
家計が変化していきます。

この人にとって、
今年2万円税金を減らすことも
大切です。

しかし、
もっと大きなテーマがあります。

60歳以降、
家計は黒字なのか?

です。

 

もし、60歳以降の収入が
大きく減るのに、
今の生活費がそのままだったら、
節税以前に、家計構造を
見直した方がいいかも
しれません。

 

ですので、FPとしては、

今年の節税と
老後設計を切り離さない

ここが重要なんです。

 

節税を考える上での優先順位

順番をまとめると、
こうなります。

① 取りこぼしている控除を確認

② すでに支払った必要経費に
使える制度を確認

③ 家計に無理のない制度を利用

④ 老後資金づくりと節税を
組み合わせる

⑤ 60歳以降の家計まで確認

この順番です。

大切なことは、

節税方法に
順位があるのではなく、
その人の家計に優先順位がある

ということです。

 

55歳で年収600万円と、
同じ条件でも、
貯金が100万円の人と、
2,000万円の人では、
iDeCoの判断は変わります。

子どもが大学生なのか
すでに独立しているのかでも
変わります。

住宅ローンがあるのか、
完済しているのかでも違います。

妻が専業なのか、
会社員なのかでも違いますし、
60歳で辞めるのか、
70歳まで働くのかでも
違ってきます。

ですのでネットやSNSで、

年収600万円なら
この節税がおすすめ!

と書いてあっても、
それだけで自分に当てはめない
ことです。

 

年収は、
判断材料の一つにすぎません。

プロのFPが見ているのは、

・収入
・家族
・生活費
・住宅
・保険
・貯蓄
・投資
・税金
・年金
・働き方

そして、

その全部をつないだ、
人生のお金の流れ

です。

 

良い節税とは、
税金だけが減ることでは
ありません。

家計も良くなること

です。

 

そして今は、
確定申告についても、
マイナポータル連携を使うことで、

・給与や公的年金の源泉徴収票
・医療費
・ふるさと納税
・社会保険
・生命保険や地震保険
・iDeCo
・住宅ローン控除関係

など、対応する情報を取得して
申告書へ自動入力できる範囲が
広がっています。

制度を知るだけでなく、
毎年一度

「自分に関係するものがないか
確認する」

仕組みを作ることも有効です。

 

では、

 

今回のFP相談実況を、
最後にまとめます。

 

節税だけを切り取って、
正解を出すことはできません。
・税金を減らす
・貯金を増やす
・投資をする
・保険に入る
・住宅ローンを返す
・年金を増やす

これらは、
別々の話ではありません。

全部、

人生のお金

という一つの問題なんです。

 

節税という言葉には、
まだまだ危険な誤解があります。

「経費にすれば得」

「保険に入れば節税」

「ふるさと納税はやればやるほど得」

「iDeCoは節税になるから最大限やる」

「税金を払うくらいなら、
お金を使った方がいい」

こうした考え方は、
場合によっては、

税金は減ったのに、
手元のお金はもっと減った

という結果になりかねません。

節税したつもりが、
実は家計を悪くしている

そうならないためにも、
しっかりとここでの内容を
覚えておいて下さい。

 

FPの判断実況「節税より大切なこと」

ここまで

「知らないと損する節税」

というテーマで、
いろいろな制度を見てきました。

・所得控除
・医療費控除
・ふるさと納税
・iDeCo
・住宅
・家族
・働き方
・年金

 

ここまで聞いて、もしかすると、
こう思った方もいるかもしれません。

「結局、節税って難しい」

「何をやればいいのか、
逆に分からなくなってきた」

 

しかし、大丈夫です。

実はFPとして、私が節税を
考えるときの判断基準は、
それほど複雑ではありません。

むしろ、かなりシンプルです。

 

それが、

税金を一番少なくする方法

ではなく、

人生で使えるお金を
一番多くする方法

を考えることです。

ここが、今回の動画で、
私が一番お伝えしたいことです。

 

二つの選択肢があるとします。

Aという方法なら、
税金が5万円減る。

Bという方法なら、
税金は2万円しか減らない。

これだけを見ると、誰が見ても
Aの方が得ですよね。

 

しかし、Aを選ぶためには、
10万円余計なお金を
使わなければならない。

Bなら、追加の支出は
ほとんどない。

そうなると、話は変わってきます。

そういうことなんです。

 

「使える制度」と「使うべき制度」は違う

今回の動画で
何度も出てきた言葉がありますので、
復習しておきます。

それが、

「使える制度」と
「使うべき制度」は違う

ということです。

これは、
ぜひ覚えておいてください。

 

制度というのは、選択肢です。

使えるかどうかを確認する。

そしてその次に、
自分に必要なのかを判断する。

これを次の順番で考えます。

・使える?
・必要?
・家計に無理はない?
・将来どうなる?
・それなら使う

この順番です。

 

ところが、
節税で失敗するときは、
この順番が逆になります。

節税になるからやる。
やったあとから家計を考える。

これなんです。

 

最初に見るべきは「税金」ではない

こう言うと、
少し意外に感じるかも
しれませんが、節税相談を受けても、
最初に確認ているのは、

税金ではなく家計

です。

理由は簡単で、

節税は家計の一部分

だからです。

 

税金を年間5万円減らせた。

しかし毎月3万円、
必要のない固定費を払っている。

これで年間36万円です。

この場合、節税を必死に探す前に、
固定費を見直した方が、
家計への効果は大きくなります。

 

ふるさと納税にしても、
数千円単位まで細かく計算している。

しかし、使っていないサブスクを、
毎月5,000円払っている。

これで年間6万円です。

 

これなら、税金だけを見るより、

家計全体を見る方が重要

です。

 

ですので、
私は実際の節税相談でも、

税金より先に、
もっと大きな家計改善ポイントは
ないだろうか?

を考えます。

 

「節税より収入を増やす」という選択肢もある

そして、もう一つ。

これはFPとして、
ぜひ入れておきたい視点です。

 

節税というと、

「出ていくお金を減らす」

ことばかり考えます。

 

しかし、
家計を良くする方法は、
それだけではありません。

収入を増やす

という方法もあります。

税金を年間3万円減らすために、
何時間も調べる。

一方、
副業や資格、働く時間の
見直しによって、
年間30万円収入を増やせる
可能性があります。

もちろん、
税金や社会保険料も
増えるかもしれません。

しかし、最終的な手取りが
増えるのであれば、
家計としてはプラスです。

 

特に、50代・60代では、
この視点が重要です。

「税金が増えるから働かない」

ではなく、働いた結果、

「手取りは
いくら増えるのか?」

を見るのです。

・65歳以降も働く
・週3日だけ働く
・資格を生かす
・経験を生かす
・副業をする

こうした選択によって、
老後資金の取り崩しを
遅らせることができれば、

家計への効果は、
数万円の節税より
大きくなることもあります。

 

65歳から毎月5万円、
働いて得られたとします。

年間60万円です。

5年間なら、
単純計算で300万円です。

もちろん、
税金・社会保険・働き方などを
考える必要があります。

それでも、
老後の家計にとって、
かなり大きなお金ですよね。

 

ですのでFPは、

税金を減らす

だけではなく、

・収入を増やす
・支出を減らす
・資産を育てる
・制度を使う

これら全部を考えます。

 

節税の「優先順位」をもう一度復習します

 

それでは、
FPとして節税を考えるときの
優先順位を整理します。

① 取りこぼしている制度はない?

② すでに必要な支出に使える
控除はない?

③ 家計に無理なく使える制度は?


④ 老後資金づくりと両立できる

制度は?

⑤ 将来の手取りまで含めて

本当に得?

この順番です。

 

医療費控除。

すでに必要な医療費を支払っている。

使えるなら、
確認する価値があります。

 

家族に関する控除。

条件に該当しているならば、
取りこぼさない。

こういうものは、
優先順位が高いです。

 

一方、節税するために、
新しくお金を出すものがあります。

・iDeCo
・保険
・ふるさと納税

こうしたものは、
制度そのものが悪いという
話ではありません。

むしろ、
条件が合えば非常に有効です。

ただ、

家計に無理はない?

という確認が一つ増えます。

ですので、節税を全部、
同じように考えないことです。

 

すでに使える制度を
取りこぼさない

と

節税するために
新しくお金を動かす

この二つは、
分けて考えるということです。

 

最終的にFPが見ている3つのもの

最終的にFPとして何を見るのか。

それは次の3つです。

① 今の生活
② 将来の生活
③ 家計の安心感

 

税金が安くなった。

しかし、今の生活が苦しい。

それでは困ります。

 

税金が安くなった。

でも、将来のお金が足りない。

これも困る。

 

税金が安くなった。

でも、手元に現金がなくて、
毎日不安。

これも、
良い家計とは言いにくい。

 

ですので、最終的には、

節税できたか?

ではなく、

家計は良くなったか?

ここを見ます。

これが、FPとしての、
節税に対する一番大きな
判断基準です。

 

「節税は目的ではない」ことを理解して下さい

今回の動画を見終わったあと、
細かい控除額は
忘れてしまっても構いません。

・ふるさと納税の細かい条件
・iDeCoの限度額
・医療費控除の細かな対象範囲

税制は改正もありますから、
必要なときに最新情報を
確認すればいいんです。

しかし、一つだけ、
覚えておいてほしいことがあります。

それが、

節税は、目的ではない

ということです。

 

税金を減らすことが、
ゴールではありません。

節税は、
家計を良くするための、
一つの手段です。

そして、
FPとして本当に大切だと
思っていることは、

税金をいくら減らせるか

ではなく、

人生で使えるお金を
いくら残せるか

です。

 

・教育費に使う
・住宅に使う
・旅行に使う
・趣味に使う
・家族に使う
・老後に使う
・医療や介護に備える

お金というのは、

税金を減らすために
あるわけではありません。

人生で使うためにあります。

だからこそ、
税金だけにとらわれない
ことです。

 

節税を考えるとき、
最後に自分へ、
こう問いかけてみて下さい。

 

この節税をした結果、

5年後、10年後の自分は、
今より安心して
暮らせるだろうか?

 

答えがYESなら、
その節税は、
検討する価値があります。

 

しかし、税金は減るけれど、

・手元資金がなくなる
・生活が苦しくなる
・将来のお金が足りなくなる

それなら、もう一度考え直します。

 

節税の最大化

ではなく、

人生で使えるお金の最大化。

そして、

税金を減らすこと

ではなく、

家計を良くすること。

ここが今回の動画で
一番大切なポイントになります。

 

税金というと、どうしても、

「払うともったいない」

という気持ちになりやすいと
思います。

 

しかし、
税金をゼロに近づけることが、
家計のゴールではありません。

大切なのは、

必要な税金を正しく負担しながら、
使える制度を
取りこぼさない

ことです。

そして、

自分と家族のために
使えるお金を
できるだけ多く残すこと

です。

これが、本当の意味での節税だと
言っても良いでしょう。

 

迷ったら、プロの判断基準を
このブログで手に入れて下さい。

FP実況中継でした。